黒のワルツ

今週は、広上さんで、定期と東京公演に向けての一週間!

そりゃもう、広上さんですから。
私は後半のラフマニノフしか参加していませんが、前半の「シチリア島の夕べの祈り」序曲は今にもヴェルディの悲劇が始まりそうな響き。そして、五嶋龍さんのコルンゴルトも素晴らしいです(筒井さんブラボー☆)。どうぞお楽しみに!

そして、ラフマニノフ。
ラフマニノフはラフマニノフでも、今回の「交響的舞曲」は、どちらかというと交響曲第2番やピアノ協奏曲第2番で連想しがちな甘やかなイメージは影を潜めて、魔力に翻弄されるような鬼気迫る魅惑的な作品。ラフマニノフ最後の作品。演奏する私たちは技術的にもアンサンブルもむちゃくちゃ難しいけど、そんなことはどうでも良くなってしまうくらいに、音楽が素晴らしくて、色々恐ろしすぎて、楽しいです。
特に、第2楽章、悪魔的なワルツのゾッとするような美しさ。私たちは難しいからといってゾッとしていてはいけませんが笑、逃げるような、追いかけるような、もう逃げられないような、決定的なような、…音符が逃げても惑ってもどんな表情を見せようともワルツのリズムから離れられないのが、何ともいえない背筋の凍る感覚です。黒のワルツ。死のワルツ。


広上さんからは、

ここはさぁ、桃井かおりだよ!
中野ちゃん、ここはチョコレート!
ここは2拍目にビタミンC!
土井ちゃん、うなぎの骨になって!
「俺は鈴木だ!」って出てきて〜

…いっぱい広上語録が飛び出して、笑い(と苦笑い…笑)の絶えない最高のリハーサル三日間でした。
さて、本番はどうなることやら笑。
誰にも分かりませんが笑、みんなで集中して、楽しんで、助けられることは皆で助け合って、恐れるよりは勢い余って、でも半分は冷静に賢く、いつも通り、私たちらしい、思いっきり楽しい演奏をしたいと思っています。それが、広上マエストロと、私たち京響が築いてきたスタイルだと信じています。


*****

大いに野卑なクラリネットに傾いた(美しいクラリネットを狙いたい箇所も3つくらいありますが、概ね今回は毒づきます)昼間のリハーサルから180度気分を変えて、昨日の夜は6/29リサイタルのリハーサルをしました。
こちらはしっとりドイツロマン派。これまた何と味わい深いものかと、美しく胸に迫る音楽にため息をつきながら、夜、わりと遅くまで真面目に(!)練習を重ねました。

塩見くんのピアノは本当に美しいのです。そして、ダテに長く二人で共演を重ねてないな、と、最近ますます感じます。お互いがそれぞれに重ねた音楽経験を持ち寄って、楽譜にあることを読み込んだり、ないことを解釈したり、楽譜の奥にあるものを探ったり…それを時には話しあったり、だけど多くは話さずとも聴けば分かるという具合で、そのような音楽的パートナーに出会えたことを、とても幸せに感じています。

(休憩時間のさくらんぼ。)


おかげさまで、プログラムノートも無事に書けました。思うことがありすぎるのに字数にはとても制限があって、ひと文字も書けず一週間くらいドン詰まっていましたが、何とか。
調べればいくらでも出てくる事実や、書き始めたらキリがなさそうな溢れる思い(笑)の中から、今回私が一番大切にしたいと思うこと、会場で聴いていただく時にお手元にあったら素敵かなと思うような言葉を、今回は編んでみました。塩見くんと相談しながら、もう少し推敲を重ねてみます。
お天気いいと良いな。
皆さまにお聴きいただける日を、とても楽しみにしています。
お席、もう少しございます◎

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