初めてのプロオケ

カンブルランさんとの第640回定期演奏会、たくさんのお客様にお聴きいただき無事終演いたしました。嬉しいお声がけもたくさんいただき励みになりました。ありがとうございました…!


今回、私の生徒が隣で乗っていました。初めてのプロオーケストラでのエキストラ。どんなにか緊張し神経のすり減る一週間だったと思いますが、本当に立派に、つとめあげてくれました。


数ヶ月前に突然通達された[京響と京都市立芸術大学との演奏面での提携(正式名称知りませんすみません。要するに、京芸の学生を京響のエキストラに積極登用しましょうというお達しです)]について、京響メンバーとして、また京芸の学生を教える立場として、正直に言うと私個人としてはとても複雑な思いを持っています。なぜなら、…、と書き始めたらとても長くなりそうなので今回は控えますが、実に色んなことを思います。京芸で指導している私でさえそうなのですから、京芸と無関係なメンバーが反対しないで受け入れてくれたことには深く感謝します。京響に迷惑をかけないようにこのシステムが運用されるよう、また学生にとって真に有用な機会となるよう、両方に関わる身として自分にできることから献身したいと思っています。


今回は6〜7人の京芸生がエキストラとして入ってくれましたが、若い人が必死に学ぼうとする場として自分たちのオーケストラが有ることができるのは、率直に嬉しいことでした。そして、学生たちは、とてもよく頑張ってくれていました。管楽器では、ソロのパートを果敢に見事に乗り切った子たちがいました。見事に1stをアシストしてくれた場面もたくさんありました。弦の子たちもきっと、1人飛び出すことなくうまく団体プレイに混ざってくれていたことと思います。心からのおめでとうと、ありがとうの両方を沢山贈りたいです。
また、何人もの同僚たちが、私の隣で頑張る生徒のプレイを気にかけてくれ、私や、本人にも直接、嬉しい励ましの言葉をかけてくれた、その気持ちがとても嬉しかったです。あったかいオケだなぁとと改めて思いました。目新しいエキストラの人が居てもいつも通りただ働くことも出来るし、何か思ってても言わずにいることもできます。だけど、今オケにいる全ての人に、緊張して初々しくエキストラをしていた若い時代があって、みんな、気持ちを分かってる。良かった時に良かったと声をかけてもらえることがどれだけ嬉しく励みになるかも知っている。だから、わざわざ、声をかけに来てくれる。ありがたいなぁ。ありがたいです。みんなありがとう。
そして、そんな若者たちの大舞台に立ち会ってくださったお客様がたにも、心より感謝いたします。今日いただいた拍手を、一生の宝物として抱きしめて歩いていく若者たちがいます。ありがとうございます。

私は、今回もこれまでも、京芸と京響が提携を結んでいてもいなくてもそれとは関係なしにプロオケのエキストラに相応しいと思う子しか起用していませんし、これからもそうするつもりです。プロのオーケストラで演奏するのは、お金をいただいて演奏する以上は〈学びの機会〉でなく〈仕事〉でなくてはならないからです。「勉強になりましたありがとうございました」だけで終わることは許されないのです。生徒を呼ぶことについては、私自身にもそれ相当の責任が課されていることを忘れません。他方で、自分が教えた子が果たして現場で使える人間に育っているのか、自分の教え方は的外れでないか、見届ける責任もあると考えています。生徒たちがいつか他所のオケでお世話になる日が来た時に失礼にあたることがないよう、演奏以外の様々なお作法についても、気づく限りのことは伝えておきたいとも思うので、その機会を与えてもらっていることにも感謝します。
演奏に関することは、事前には特にレッスンしたりせず、自分でどこまで勉強してこれるか、リハーサルの中でどれだけ柔軟に対応できるか、多くは教えず見守ります。現場では、教わらないでどこまで出来るかが勝負だからです。

これまでに今日を含めて3人の現役学部生をエキストラ起用してきましたが、どの子たちも本当に全力で重責を全うしてくれ、私が期待した以上に立派な働きぶりでした。この嬉しさといったら。彼らの存在に、たしかに励まされている、私です。ありがとう。


プロオケの空気を近くで感じるようになれば、時間はかかっても京芸のレベルは間違いなく上がっていくでしょう。また、若い人たちに刺激を受けて、京響にも良い影響が必ずあると信じています。初めてお世話になったプロオケを忘れる人は多分いません。それくらい強烈な体験です。これから羽ばたく若い人たちにとって、幸せな「初めてのプロオケ」体験となるよう、あったかくて躍動感のある良いオーケストラでいたいと強く思います。
(写真は京響ブログより拝借しました)

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