ボレロと寄港地
いつもながら極めて的確な、我らがシェフ・沖澤のどか氏のビデオメッセージに感嘆していました。
(このビデオメッセージは、京響公式Facebook他で公開されています。ご興味おありの方は是非ご覧ください。)
私は、残念ながら吉野直子さんのハープ曲とオネゲルは参加ならず、「寄港地」(イベール)とボレロ(ラヴェル)に参加しています。
「寄港地」は、演奏するのもなかなか難しいですが、指揮者が振りこなすことが非常に難易度の高い曲のように思います。振りこなす(ただ振るだけでもきっと大変)だけでなく、フランス音楽が持つ特有の色香や、たわみや揺らぎを、音で表現するのも難しいけれど、ただ空(くう)を切るだけでそれを示して見せ、目の前の大勢の演奏者に等しく感じさせ導くのは…並大抵のことではないと感じます。それを飄々と、涼しい顔をしてやってのける小さな巨匠に、我々は驚嘆しっぱなしです。
ボレロも、今日はホールに移って、細かなリハーサルをしてもらえました。
最初の合図だけ出したら、あとは指揮棒を置いて舞台を降り、客席へ消えていかれました。1曲通して客席で聴いた上での細かい音量バランスの修正や、全体の組み立ての構想に基づいた具体的な指示がマエストラからいくつか飛び、はっきりと曲が構築されていきました。
その人は、客席のど真ん中の暗がりで、静かに座っているだけなのに、みんなが「その人が想定しているボレロ」を探して、全力で演奏するんです。すごいと思いませんか。すごいよのんちゃん!わくわくするったらないよ!指揮者って、凄い!
ボレロなんて、もう、リハーサルと言っても通すだけで、あとはソリストたちを労って、ご挨拶程度に全体に差し障りのないアドバイスのようなものを1つ2つしたら終わり、というような指揮者が殆どなところです。客席で聴いた感じだけは舞台上の我々には分からないので、こんなふうにしっかりと聴いてもらえて、的確なアドバイスをもらえ、やっと、この曲に指揮者がいる価値を実感することができました笑。
本番は、ちゃんと、指揮台から降りずに、我々の女神は最後まで振ってくれるはずと思っています。
いい演奏会になる予感がとてもしています。
特別な一瞬一瞬、1人でも多くの方に立ち会っていただきたいと心から願っています。
頑張ります!
京響1月定期は
1/19(金)19:30〜
1/20(土)14:30〜
両日ともに京都コンサートホールです!
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