シュシュッっと幻想
もうご存知でない方も多いと思いますが、私、入団当時はエスクラリネットも吹いていたんです。
で、今はもう、たまーにしか吹かなくなったエスクラの、ケースを開けるたびに、毎回、新鮮にびっくりできる楽しさ↓。
笑。
描いたのは昔の自分なんですが、毎回、練習し始める日に、すっかり忘れてキャップを外して、
「!!」(by myself)
となります。
これ、もちろん吹きません笑。楽器ケースにしまっておくときに、マウスピースと、それを固定する器具(リガチャー)の保護のために、要らないリードをかませておくのに使っています。このヒゲ面のおじさんも、思えば長い付き合いになりました…ほとんど放ったらかしですが笑。
首席になってからも、大好きなエスクラを堂々と吹かせてもらえるのは、そう、「幻想交響曲」(ベルリオーズ)の時。
第1楽章:Bbクラリネット
第2楽章:Aクラリネット
第3楽章:Bbクラリネット
第4楽章:Cクラリネット
第5楽章:Esクラリネット
1番クラリネットは、このように持ち替えて吹くように楽譜に指示があります。もちろん、ベルリオーズは、楽器の音色が変わっていくことを意識して書いたと、確信しています(私はです)。1番奏者が特殊管を担当しない契約などの場合、第5楽章だけ2番奏者と楽譜を入れ替えて吹くこともままありますが、私は、そんなような思いもあって、可能な限りオリジナル通りでEsクラリネットまで吹かせてもらいます。
幻想交響曲が生まれるに至ったベルリオーズのエピソードと、音楽の物語性はあまりにも劇的ですが、この作品を演奏していて、この[気のふれた]ような感覚を、ほとんど理解できないような、ノーマルな生き方をできた人がいるとしたら、本当に羨ましい…とは、いつも思います。気が狂うほど人を好きになったり、自分がばらばらになってしまうような無残な出来事を、…経験せずに済んだなら、生きるのはどんなに楽だろうか、と思います。だけど、そんな酷い経験も、苦しみも、音にかえて表現できるから、音楽家になったのはマシだったな、とも思います。また、さまざまな大作曲家が音にあらわした 血の滲む傷跡 を聴かせてもらうことで、あぁ私だけではなかったと、そっと勇気づけられることは、音楽に触れていて、時々あります。生きにくいのは、私だけではなかった。どうしようもないのは、私だけではなかった。と。
お久しぶりの阪マエストロの「幻想」は、まるで阿片もあおり忘れてしまいそうな速さですが、気を確かに、シャープに俊敏に!、頑張りたいと思います。
前半の「ロメオとジュリエット」(も、ベルリオーズ)は、美しいバレエのお二人との共演。遂に念願叶って舞台の前方で踊ってくださるので、我々も拝見できます◎◎◎!でも、見惚れるとオチるので、そこそこに。
あぁ、バレエって、あまりの美しさに、食欲がなくなりますね…もうオヤツやめようって思います…見てる間だけ…(前も書いたような笑。)
楽しいコンサートになりますように!
ロームシアターでお会いしましょう!
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午前中だけ空いていた日の朝、すごく晴れた窓の外を確認して、御室桜(おむろざくら)を見納めに、仁和寺まで自転車飛ばして行ってきました。
[散りぞめ]という雅な響きにやられたけど、お寺さんが「散り始めてます」という頃には、そりゃまーまーずいぶん散ってるんだな、ということも学びましたが笑、散り進む花弁の脇から空に向かっていっせいに伸びる赤みがかった若葉を見ると、私はどうも、またまた無性に桜餅を食べたくなります(そろそろ柏餅だというのに)
いやー、でも、桜はやっぱり青空の下が最高!
今年の桜の時期は糸の目ばかり見ていたので(給食袋)笑、これで気が済みました◎ありがとうございました!
…なんていうのも吹き飛んでしまうような凄い演奏を、さっきモンタージュさんで聴いてきました…
読響の瀧村依里さんのヴァイオリンと、指揮を今ハンブルクで勉強中の杉本優くんのピアノ。感激。すごいものを聴いてしまった…
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