がんばろう大人(も)

来年の入試の要項を準備する時期がきたようです。

春浅き日の悲喜こもごもを昨日のことのように思い出すのに、もうまた、なんと早い。


音楽家を目指す人にとってとてもとても大切な若い一時期に全力で取り組む材料として、できるだけ骨のある課題を選びたいと、課題曲の選定には本当に心を砕きます。入試は大変だけど、強い意志とやわらかな心の両方をもって、がんばってほしい。そして、それを見守る周りの大人は、諦めず目をつぶらずに確かな基礎力と楽譜の読みとり方を若い人に伝えなければ。

前回初めて大学入試の実技試験を審査させてもらって、基礎がむちゃくちゃなまま放置されている可哀想な子たちが沢山いることに愕然としました。変な癖のついてしまった子を地道に矯正し導いていくのは教えるほうにも教わるほうにも大変な忍耐を必要としますが、我慢強く伴走し少しでも自由に歌を(楽器で)歌える状態まで連れていくことは大人の責任だと自戒の意味を含めて強く感じています。

変なまま大学生になっちゃったら、その後はもう、才能がなかったとか、向いてないとか、そんな簡単な言葉で自分の可能性を閉ざしてしまえるようになる。音楽の真の面白さは、その先に広がっているのに。

…とはいえ、生徒さんは色々で、私自身はまだまだ経験が浅く、教えることは本当に難しいと日々悩み行き詰まります。うまくいかないことのほうが多くて、レッスンの後寝込んでしまったりします(情けない〜)。でもやっぱり、私自身は泥水をのみ砂利を噛みしめるような10代20代を過ごした後に少しずつ見えてきた景色を心底素晴らしいと感じるので、1人でもこちら側に連れてくる努力を、諦めずに頑張らなければと思っています。

思った通りの音色で、思った通りのタイミングで、雑音なしに「ター」と、ただ吹くのがどれほど難しいか。 
その難しさに真正面から向き合うには、けっこう勇気が要るけれど。でも。

それぞれに、有意義な夏を過ごしましょう。

Naoko Kotaniguchi Official Blog

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