新世界より

それにしましても、こんな中でも、変わらずにコンサートホールに集ってくださるお客様に、どんな言葉も足りないほどに感謝しています。

昨日今日と、第649回定期でした。
相変わらず、私たちにはひな壇は得られず、隣の人も視界に入らず、大げさでなく、舞台に乗っている実感があまり持てないような環境ではありますが、袖から舞台へ出て行けば、あぁ、こんなにたくさんのお客様が来てくださってるんだ、と、嬉しくなって、何とも幸せな気持ちです。感謝で一杯です。ありがとうございます。

一方で、まだ定期会員様のみしかお入りいただけず、一般売りをできていません。会員にはならずとも毎月のように楽しみに聴きに来てくださっていた方々にはとても心苦しく思っております。
政府からは、まもなくクラシックコンサートでの「満席」を許容しますというニュースが流れたばかりですが、そうは言ってもすぐには販売方法を変えることは出来なさそうだという流れのようです。〈隣の席が空席である〉ことを安心材料としてクラシックコンサートにお出かけくださるようになった方々がおられることも容易に想像されますし、様々な考えの方がいらっしゃる中で、どなたにも出来る限り不安を強いることなく安心して聴いていただける環境づくりを、クラシック業界自体が望んでいるということの現れだと思います。もちろん、1人でも多くのお客様に聴いていただきたい、1円でも赤字を何とかしたいというのは喉から手が出るほどの思いですが、それよりも、大切なお客様の安心と安全を。そう願う業界に自分がいることを、色々なもどかしさはありながらも、とても納得しています。



本来は、今日は、アクセルロッドさんでマーラー『復活』の予定でした。
あらゆる仕事が全て無くなって、練習場で防護服を作っていた初夏の頃、

「さて…いつ頃から演奏に戻れるんだろうねぇ…」

と話していました。あのときは、

「まさか、『復活』で復活!?…出来過ぎだネ〜わははは〜!」

と笑っていました。
なぜ笑っていたかというと、
(まさか、いくらなんでもそんな先まで自粛しているわけがないよね!わはは)
くらいの、笑いだったと記憶しています。それが、こんなことになってしまった。
もちろん、さすがにもう自粛はしていないけど、『復活』のような大編成の曲を演奏できる日が戻るのは少なくとも今の私たちには全く希望が持てていません。せめてアメリカ人のアクセルロッドさんをシェフに迎えての最初の記念すべき定期を、そしてコロナ後の新たな時代の幕開けとして『新世界より』を演奏できるのもまた素晴らしいじゃないか、と考えを改めたのは、まだ酷暑に悶え始めたばかりの頃だったように思います。
広上さんが代わって振ってくださることになり、来てくださるお客様のおかげもあって、何とか今月の定期演奏会を終えることが出来ました。
(プログラムに挟み込まれた両シェフからのメッセージ)

色んな意味で忘れられない『新世界より』になりました。



また次も頑張ります◎ 
応援よろしくお願いいたします…!