音楽と運転と
日曜日。
オーケストラディスカバリーにおいで下さった皆さま、ありがとうございました。
いつもよりちょっとおめかしした小さなお客さまが沢山つめかけてくださるのを北山駅周辺や会場でお見かけし、あーやっぱり幸せな景色だなぁと思いました。ありがとうございました。
ディスカバリーを聴きに来てくれた両親からの「差し入れ」↓笑。
趣味の園芸から始まって…そうです、私が幼い頃から母は庭でせっせと花を育てていました、そこから長い長い年月をかけて、父も定年後は徐々に本格参戦し、ついに彼らはイッパシのfarmerになりました(近所の畑をちょろっと借りて、しています)。
「置いていくわな」
「うん、ありがとう」
と、何気なく置いて帰ってくれたひと山の、新聞紙を剥いだら、思ったよりずっと立派な野菜がずらりと並んで、びっくり。偉。凄。農薬の話は聞いたことがないから、たぶん全部無農薬です。だから虫のおまけ付きです。でも、朝採れの野菜は、びっかびかに元気。両親が丹精して育てた野菜、コチラに口はひとつしかないから気持ちが焦るけど、せっせと下処理して冷凍したり煮炊きしたり、あとはしばらく鍋!美味しいうちに。とっておきのレモンをどうするか。悩んでいます。
まだまだツィガーヌが離れない頭のまま、昨日、初の路上教習に行きました。
怖くて怖くて、気持ちは生まれたての子鹿でしたが先生の指示に一生懸命従って、どこを走ったか覚えてないけどとにかく教習所の近所をくる〜っと一周したと思います。世界は教習所のコースよりずっと広くて、前の車についていったらあっけなく50km/hが出て驚きました(怖)。しかしいっぺんに処理すべき情報がありすぎて、信号とか車線選択とかバスが発車するとかしないとか、電信柱とか制限速度とかバイクとか歩行者とか…先生なしに運転できる日が来る気は、今のところいたしません…。
私が専門とするところの音楽も、たしかに同時に沢山の情報処理と状況判断は強いられますが、「動くモノは相手にしていなかったんだな」ということに気がつきます。一方で、運転は、ある程度常識的な範囲であれば無理のない速度を守ることが許されるのですねぇ。オーケストラは、自分でテンポを選べませんからね…たまに、とんでもないテンポに突然遭遇しても、死にそうになりながら、それでも生還しないといけません。あの生きた心地のしないことといったら、例えようもありません。。
「出発する前はネ、正直どんなことになるか心配しましたが、」
(初めて担当していただいた先生でした。なんせトシがトシな女子なので、初対面での期待値が低いのはいつも助かります)
「…初めてにしては案外しっかり流れに乗って頑張って走ってはりました!」
…一応、種目は違えど流れに乗るのが8割みたいなシゴトしてますんでね…とは先生には言えませんでしたが笑、相変わらず小さな良かった点について多めに褒めてくださり、次への目標としての改善点をいくつかわかりやすく宿題として提案してくださって、感謝感謝のうちにレッスン終了。ありがとうございました◎
決まりを守ること、破らないこと、失敗しないこと、ちゃんとすること、命を守ること奪わないこと、人様にご迷惑をおかけしないことで頭が一杯になる教習所から帰って、今日リハーサルだった福井敬さんのCD収録のための曲を練習していました。
テノールのアリアだから余計でしょうが、そこには愛や恋や死や憧れが溢れていて、
(そうか、私がしている仕事はこういうことなのか)
…と、今更ですけど、ざわわ、となりました。
バラを濡らす朝露の清らかさや、燃える恋心や、煮えたぎる憎悪や、今際の際の最期の吐息を、音にしないといけない。これは…心がいちいち擦り切れて本当にタイヘンな仕事だけど、なんて夢のある仕事をさせてもらってるんだろう。それを忘れたらいけないなと、忘れないでいなければと、改めて思いました。
福井先生にお会いしたのは、まだ、自分の目の前が真っ暗だった20才の時。副科独唱のクラスで担当していただきながら、先生のお人柄とお声と舞台姿のぜんぶに魅せられて、当時先生の出演されるほとんど全ての公演に通っていました。先生が見せてくださる世界に憧れて、私はあの時、真っ暗な道をまだ進む勇気を持てたと、今でも震えるほど感謝しています。
学生時代、寮の部屋に飾り続け、その後何度引越しをしても失くすこともなく全く無傷で、いつでも取り出せる場所に大事にしまってある(ズボラで何でも失くす私にしては奇跡です)、先生の帰国記念リサイタルのプログラム。なんで2つあるのか忘れたけど、飾る用と永久保存用。
(ビシッと白黒で、ハガキ大、蛇腹折りになっていて、裏と表に、先生の麗しいお写真もたくさん。とってもカッコいいプログラム冊子です)
福井先生、今日も本当に燦然と輝いて、素晴らしかったです。
レコーディングは来月。しっかり準備して、臨みたいと思っています。
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