玉置浩二!そしてセンバツ!

玉置浩二、それは、それは、素晴らしかったです…

『玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2024 〜Pastorale〜』、6月まで続く全国ツアーの、大阪2公演を京響が担当させていただきました。
京響にいたら、こんなシゴトは回ってくるはずがないと、諦め尽くしていたところでしたから、本当に、20年頑張って良かったです…

どう素晴らしかったか、何をどう書いても全く足りる気がしません。今もまだ、明日からのシェーンベルクやドビュッシーの練習をむんむんした後でも、まだまだ負けずに玉置浩二で頭がいっぱいです。すっかり元気とパワーを分けていただいたので、しばらくは多少のことではヘコタレず頑張れそうです。

大きな大きな、孤高の、優しいライオンさんのような背中でした。
あれだけの、満場のお客さんと舞台の上の全員を大興奮に導いて、大スタンディングオベーションを受けて、ものすごいエネルギーと元気と勇気をみんなに分けてくれるその人の、今日が、これまでの日々や、これからの日々が、同じように元気な日ばかりでないことは容易に想像できます。あの背中に引き受け、抱えてるものは、いったいどれほどのものだろうと、やっぱり、同じく舞台に立つ人間の端くれとしては、その背中を、できるだけ多くの瞬間、見逃したくないと思いました。だけど、聴き惚れたり、見惚れたり、心がキュンとなったりしていると、もう本当に2小節もあれば簡単に落っこちてしまいそうで(!)、多少聴き惚れてしまっても大丈夫なように、みんなで必死に、いつもより多めにガイドを書いて臨みましたよ!がんばりました◎

私は、たぶん安全地帯ドンピシャ世代よりは少し下だろうけれど、兄が好きで聴いていて、当時2人でシェアしていた子供部屋の、兄のほうの壁に、兄が書いた玉置浩二の似顔絵がコッチにむいて貼ってあって、だから私は玉置浩二に見つめられて育ちました笑。兄のおかげもあって、今回どの曲もぜんぶ知っていました。子供の頃から、こんなにいい曲、いい声、深い詞を聴いて育ったんだなぁ、と、昭和世代の自分を改めて幸せだなぁと思いました。


それで。今は、彦根に向かう電車の中です。
三月も下旬なのに、雪が降って、びっくりしています。防寒対策ばっちりで出てきました。

センバツ甲子園、初日に惜敗してしまった近江高校(滋賀)の吹奏楽部が、日本航空石川高校(石川)の友情応援を買って出られたということで(中学時代にone of憧れの先輩だったH先輩が、近江高校吹奏楽部で顧問をされているんです。H先輩さすがです!)、今日は、その応援です。
近江高校が初戦突破していたら、23日に、日本航空石川高校の初戦と、近江高校の2回戦、史上初のダブルヘッダーとなるところだったんだそうです。近江高校の2回戦がなくなってしまったので、日本航空石川高校だけを応援しに行くためのバス代を捻出する必要がある、ついては、体育館でスプリングコンサートをするので、皆さんよろしく!とのことだったので、中学時代の仲間からのカンパやら何やらも引き受けて、行ってきます!

一緒にしてはいけないけど、自分も阪神大震災の時、学校は大規模避難所になり、間借り校舎や仮設校舎や壊れたままの本校舎を転々としながらとても部活どころでないような1.2.3.4.5.6.7.8.9.10月を過ごし、ほんとにその実力があったかどうか自分たちでも複雑な思いを抱いたまま、それでも秋の全国大会まで行かせてもらいました。「被災地枠だ」と揶揄されながら。「震災だったのにすごいなぁ」と言ってもらいながら。

日本航空石川高校野球部のことは地震後すぐからニュースで見聞きしていて、センバツ代表に選ばれたこともとても喜ばしかったけど、あぁどんな気持ちでいるかな、手に取るようにわかるような、とても私などには分かりきらないような、でもとても他人事とは思えない思いで見ていました。日本航空高校は、私立だし、スポーツに力を入れている名門校だし、当時の私たちのようなみじめったらしい思いはしていないだろうとは思います。それでも、部活出来るだけいいやん、とか、センバツ(全国大会)に行ける(た)んだからいいやん、とか、そんなことだけではとても済まない、いろんなことや、思いが、現場では、当事者の中には、重く厳しくのしかかっています。特に、家族や家が無事でなかったような子は、心がつぶれるような思いを振り払おうとして払いきれないような中で頑張っているのではと想像します。「被災地から、勇気を届けます!」なんて、メディアが美談めかして簡単に言うのもとても複雑な気持ちです。自分たちのプレイで地元を勇気づけよう、なんて思わないで、難しいだろうけど、余計なこと何も考えず自分たちの野球を楽しんで欲しいです。若い人たちが頑張ってる姿は、ただそれだけで、みんなが元気をもらえるもんです。本当です。吹奏楽部の子たちもです。ありがとう。

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