4月の出演予定(一部すでに済み)
プロコフィエフの『ロメオとジュリエット』、明日の定期演奏会は【井上道義スペシャルセレクション版】でお届けします。
第1曲目として演奏する「モンタギュー家とキャピュレット家」(第2組曲の第1曲)は、テレビなどでも時折使われるあの旋律が有名です。でも、あの旋律も確かにインパクトのある音楽ですが、その前のしばらく…冒頭から16小節が、それよりも更に、まさに《事件》といえる響きだと思います。初演に立ち会った人の衝撃を、想像したいです。
音で、音楽で、血が流れるのが見えるようです。悪い予感しかしない、とんでもない惨劇が起こる、切り裂かれる、引き裂かれる、取り返しのつかないことになる…あぁ、もうダメなんだ、と、思い知らされるような音楽。
演奏家は、今日の晩ご飯をどうしようとか、次の給料振込み日がいつだとか、そんなこと考えてちゃいけないです。少なくとも、音を出している間は。
1音で、充分に殺傷能力を持つような音が、出せなければ。
いつもそう思っています。それは鋭さかもしれないし、熱であるかもしれないし、圧かもしれないし、冷酷さかもしれないし、毒かもしれない。
一方で、たったひとつの音で、ひとつの痛んだ魂をすっと掬い上げられるような、慈愛に満ちた音を出せなければ。
その両極と、その両極の間に無限に広がる様々な手触りの音を全部、手に入れたい。何のために楽器を吹いていますか、と聞かれたら、多分それが答えです。私の場合です。
道義さんとのリハーサルは最高に楽しくて、笑いのたえない三日間でした。道義さんはバレエを踊られていたと聞いたことがありますが、それだからか、音楽が単なる聴覚への娯楽でなく、舞台の上で目に鮮やかに見えるような、音が意志をもってむざむざと動き出すような、ホールじゅうを暴れまわるような、そんな演奏を目指されていて、それはとても共感できて、力の限り応えたい、道義さんのイメージを音にしたい、近づきたい、と、心から思います。
みんなで、心底頑張っています。ゴールド金賞、目指します!!
…however, …as you know, …本番は、突然の天変地異にも備えて、天変地異だから備えてもムリな時もあるけど笑、みんなで何とか無事生還したいです。心に救命胴衣を。でも全力で荒波に乗る勇気を。お祈りください。
(学生券出るそうです!新学期始まってお疲れの学生さん達も、授業終わって間に合ったら、どうぞ心のエナジーチャージにお越しくださいね!道義さん最高です!)
◯月の出演予定、というものがあったことをすっかりぽっかり忘れていました。もう済んでしまったものもありますが、これからのものも多いので、書きます!
【スプリングコンサート】
3月7日(日)14時半開演(京都コンサートホール)
指揮:下野竜也
ソリスト:豊嶋泰嗣Vn.、上村昇Vc.、上野真Pf.、ハラルド・ナエスTp.、西馬健史Tp.
曲目:2つのトランペットのための協奏曲ハ長調(ヴィヴァルディ)、ヴァイオリン・チェロ・ピアノのための三重協奏曲(ベートーヴェン)、交響曲第9番ホ短調『新世界より』(ドヴォルザーク)
➡︎終了いたしました。ハラルドと西馬くんの華やかなトランペットで2019年度の京響が開幕いたしました◎。『新世界より』は、『新世界(It's a new world!)』じゃなくて『新世界《より》(From the new world)』なんだ、だから、最後の音のdim.する姿がミソなんだ、ここに、《より》が託されてるんだ!…と、相当こだわって、それがとても難しくて、我々のワザの見せ所で、はりきって練習しました。結局、音が消えるか消えないかの頃に拍手をいただいてしまって、
(あらら)
となってしまいましたが、それでも、拍手をいただけるのは、私たちは嬉しいです。だけど、音は、音の始まりと、持続している間と、終わりの姿をどうするかが肝で、そこに、演奏者の技術と意思が結実しています。なので、音が終わるその瞬間と、その後に我々が準備している静寂、そしてその境い目を、出来たら、聴いていただけたら、私たちとしてはとても嬉しいです。そうじゃなかったとしても、私たちは大丈夫ですが。
【京都市交響楽団 第633回定期演奏会】
4月12日(金)19時開演(京都コンサートホール)
指揮:井上道義
ピアノ:イリヤ・ラシュコフスキー
曲目:組曲『キージェ中尉』Op.60、ピアノ協奏曲第3番ハ長調Op.26、『ロメオとジュリエット』組曲から(井上道義セレクション)[オールプロコフィエフプログラム]
➡︎『キージェ中尉』は、Tp.西馬くんが裏に表に大活躍!(西馬くんはロメジュリでもコルネットで大ソロ担当。カッコいいです!うちのトランペットセクションは本当にみんな震えるほど上手い…)ピアノ協奏曲は、クラリネット大活躍!筒井さん玄さんコンビです、乞うご期待☆
【ロームミュージックフェスティバル2019 オーケストラコンサート①】
4月20日(土)15時半開演(ロームシアター京都)
指揮:阪哲朗
バレエ:清水健太、太田朱音
ナビゲーター:朝岡聡
曲目:劇的交響曲『ロメオとジュリエット』Op.17より〈岩田守弘の振り付けによるバレエ演出付き〉、幻想交響曲[オールベルリオーズプログラム]
➡︎同じ『ロメオとジュリエット』を題材として、今度はベルリオーズによる音楽描写をお聴きいただきます。バレエも楽しみ。幻想交響曲は、解説コーナーを踏まえての全曲演奏になります。これもまた、あのドラマティックな作品をより分かりやすく聴いていただけるならとても嬉しいと思っています。
【京都新聞トマト倶楽部コンサート 懐かしの映画音楽2019】
4月29日(祝)14時開演(京都コンサートホール)
指揮とお話:山本祐ノ介
曲目:『ルパン三世』のテーマ、『エマニエル夫人』、『燃えよドラゴン』、『ゴッドファーザー』〜愛のテーマ〜、『ひまわり』、『慕情』、『007』、…まだまだたくさん
➡︎やってきました今年もこのコンサートが!!そして今年もチケットが取れなかった…来年は頑張ろうと思います!想像するだけで ゆる〜 っと楽しい気分になります笑。皆さんも是非、京都新聞を読んで来年はお越しください◎
以上です。3月までの乗り番が多かったので、今月来月はお休み多め。
頑張って6月の準備をしますー!!!
ロメジュリの2曲目、ココ↑のアクセントつけるのがとっても難しー!!笑
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