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コロナ禍の中で仕方なく始まったオンラインレッスンの、前期分がほぼ終了しつつあります。

大学で普通に対面レッスンをしていたときは、学生たちがそれぞれに持ってくる譜面を隣で覗き込めばよいのですが、オンラインレッスンでは画面の前で自分も同じ楽譜を手元に用意する必要がありました。全員分の音階やエチュードや曲の楽譜が自室の一角に積み上げられたままになり、順繰りに、下から上へ、下から上へと引っ張り出したり積み足したりしていたのを、一人、また一人と最後のレッスンが終わっていくたびに楽譜棚の元の位置に戻していく作業は、何やら淋しさも伴うものでした。
一人暮らしの私には、オンラインレッスンで彼らとしか話さない春の頃がありました。小さな画面の向こうで笑う元気な顔に週一回会えることにどれだけ励まされたか分かりません。オンラインでできるレッスン内容にはどうしても限りがあり、できないこと、聞こえないこと、叶わないこと、同じ部屋にいて隣に居られたら容易に分かり合えるのにと思うことが山ほどありましたが、それでも、できることを喜んで、ただ今週も元気そうにしている彼らのことを喜んで、励まして、励まされて、そうやって過ごしてきました。

学校のレッスン室で会うだけでは分からない個性も垣間見ることができました。あら可愛いカーテンなのねとか、女の子らしい部屋の様子にホンワリしたり(自分の部屋を見回しては反省…)、ピアノがある子やない子、自分の部屋にエアコンが無いからと汗をふきふき頑張ってくれていた子もいました。ステイホームの間に趣味の時間を上手に持って、毎週Tシャツの胸元に可愛い刺繍を仕上げてくる子がいたり、運転免許の教習所通いの話に花を咲かせたりもしました。

こんなコロナで全部がむちゃくちゃになった中、それでも何が何でもクラリネットを上達してもらわなければ、とは、私は少しも思えませんでした。目標を失って、落ち込んで、元気が無くなっても全然おかしくなかった。大人さえこんなにしんどいのですから。ただ元気で、生きていてくれたらそれで充分でした。落ち込んでいるなら飛んで行ってギュッとして励ましてあげたかったけど、それはできないというジレンマはありました。だから、何とか学校が元に戻る日まで、小さな画面のこちら側から私なりに一生懸命エールを送り続けることが一番の使命のように思っていました。若い彼らの姿に、若かった頃の自分を感じるからです。どれほど不安で、どれほどやるせなかったろう。だけど、みんな元気でいてくれました。ちょっと元気が目減りするような日があったとしても、何とかうまく半年をやり過ごしてくれたことに、心から感謝しています。なにやら同志のような気持ちです。みんなよく頑張りました。夏休みが明けて、学校でのレッスンが戻ったら、彼らの隣で大いに歌い、踊ってやろうと思っています!笑笑笑。



夏休みに突入した彼らとは反対に、私は、神戸のコンサートのお礼状書きを何とか終えて、昨日ようやく馴染みの郵便局で投函を完了し、ハァ〜夏休みの宿題を出しきった!ような気持ちでいます。
いつも、実は心身ともに一番キツいのは、本番が終わって、本番の疲れがドドドと来る中で次の本番の準備をしながらお礼状作業が天王山の時です(私はです)。今回は、8/1法然院さんでの公演と近かったので、ちょっとこたえました。でも、やっと終わりました。勝手に忙しくした8月がようやく終わりました。ケーキと紅茶で乾杯。机いっぱいに広がりっぱなしだった紙類、切手、住所録、文房具などなどを全て片付けて、今日の夜だけはゆっくり過ごして、次に向かって準備を進めます。
(ちょっとまだ楽譜が揃っていないところが夏バテ)
9月は「松」もあるし、いよいよ真面目にリードを育てなければと思っています。。。


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ふたつの公演に挟まって心がバタバタしてしまって、姪っ子のミニトマト観察記録にじっくり付き合えなかったことが今夏の大きな後悔として残りそうです。心残りが過ぎて、手紙の終わりに描いてみたら、まーまーそれらしく描けました!?笑。
嬉しくて撮っちゃって。一緒に絵かいて遊んでくれる時期なんて、ほんのちょっとですよね。しまったしまった島倉千代子です本当に。次帰ったら、もうゲームして遊び始めていて、おばちゃんはとても淋しい。ゲームきらい。涙。

Naoko Kotaniguchi Official Blog