Op.3とOp.11

秋の虫が鳴き始めました。


2日間のリハーサルを終えて、明晩はいよいよCafe Montageさんでの本番です。

私的な時間はツェムリンスキーの練習に明け暮れて、私の晩夏は重く充実したものとなりました。

『クラリネット、チェロとピアノのための三重奏曲 Op.3』は、ツェムリンスキー25歳頃の作品だそうです。ブラームスが大変評価して出版社に彼を強く推薦するに至った作品、ということで有名ですが、若者の苦悩とロマンがドドドー!っと溢れた、猛烈なエネルギーに揺さぶられるような曲と感じます。さすがブラームスが評価する才能、と思うところと、うーん!若者、持て余してるな?!と思うところ?が時々ありますが、そこも含めてブラームスはこの若者に期待した気がしています。

若者、言葉にもロマンがほとばしっています。
例えば、Mit Schwung und Wärme からのschwungvoll。
[Schwung]というのは、英語でいうところのswingでいいと思うのですが、スイングしろと言っているわけではもちろんなくて、こう!こう!です(だめだ、身振りでしか説明できません笑)。揺さぶられるようにほら!ほるぁぁぁぁあ!…みたいな感じです?笑。[Wärme]は、warmの名詞形なので、温かさ。どゎー!っと揺さぶられつつ温かいのです。そして[schwungvoll]のvollは英語でいうところのfullなので、full of Schwungなわけです。それが、三者三様のリズムが複雑に絡み合う中で行われるので、それはそれはロマンなのです。ロマンが過ぎております。
f(フォルテ=強く)でcon molta espress.(むっちゃ表現豊かに歌え)なところで[ruhig](静かに!)と書かれてあったりもします。fでruhig、どっちやねん!と言わずに笑、この両方を書かずにいられない気持ちを精一杯想像するのです。でも、楽譜と、音楽の流れを見ていれば言いたいことは痛いほど分かります。そしてこちらもムフフとなるのです笑。

ツェムリンスキー、ものすごくいい曲です。聴いたことない方は、ぜひ一度お聴きください。


ツェムリンスキーと組み合わせたのは、ベートーヴェンイヤーだしということで、同じ編成の『街の歌 Op.11』。街の歌も若い頃の作品だったなぁと思って、改めて調べてみたら、なんとベートーヴェンとツェムリンスキーはほぼ100歳違いで、そして、今回演奏するOp.3とOp.11の2曲は、2人の作曲家が殆ど同じ年の頃に書いていることに気づきました。
街の歌はライトなイメージ(でも激ムズです!)で、何となくツェムリンスキーの前座かなというような気持ちでいましたが、何の何の。リハーサルはついつい3人にとって初モノであるツェムリンスキーから始まるのが自然な流れでしたが、ツェムリンスキーのあとにベートーヴェンを音出ししてみたら、

《…なんと名曲!!!》

ベートーヴェン先生の凄さを、いつもと全く違う角度からボカンと思い知らされたような気持ちでした。びっくり。モンタージュの高田さんも大興奮。そんなわけで、プログラム順がどうなるか、分からなくなりましたよ…明日のお楽しみ!

台風が心配ですが、配信もあるので、良かったらCafe MontageさんのHPからアクセスしてみてください♪ 応援よろしくお願いいたします◎
ザッと調べて書き並べてみました(間違いがあったらお許しください)。
こうやって見比べてみると、ものすごく興味深いことがたくさん。ブラームスのTrioはOp.114!!!円熟の極み。その頃、ツェムリンスキー青年は二十歳。そこから5年後に、同じ編成で見事な作品を生み出しました。ブラームスがツェムリンスキーをジムロックに紹介したのは、亡くなる前年ということになりますね。そういえば、ブラームスも若き頃、シューマンに紹介されて楽壇デビューしましたね。自分も若き才能を支援したい、自分がしてもらったように、という気持ち、あったに違いないなぁとか、色々想像してしまいます。



作品を通じて、その人の「人生」の「その時」を感じられるのは、音楽の醍醐味だなぁと改めて思います。
今日は余計なことを書いてしまった気がします。全て個人の感想です。