赤、紅、朱、緋色
ほどよく降る雨が紅葉をより美しくする、というのを去年か一昨年の秋に知りました。晴れてばかりでは葉っぱも乾ききってしまって、ただの枯葉のようになってしまった、あれは哀しい秋でした。
この土曜日曜と、遠路はるばる来洛された方々にはあいにくのお天気でしたが、ほどよく湿って、葉っぱも喜んでいるようでした。暖かさが戻って、まだ秋なんだなと思える週末でした。
朝から学校へレッスンに行って、これからバレエの本番なのョと言い残してチャリにまたがり、白川沿いを上がって平安神宮の朱色の鳥居がドドンと見えたとき、土日も祝日もない生活だけど結構いい感じの大人になれたのかもしれないと思いました。いいことばかりじゃもちろんないけど、好きを仕事に出来た。やったー。
ロームシアターで『白鳥の湖』でした。
(ピットから見上げる緞帳の景色が好き。あと、バレエの時は、休憩時間にピットを覗きこみに来られる“おきゃくさま”が、ちいさい可愛らしいお嬢ちゃんたちが多くて、それもとても嬉しいです)
はぁ、やっぱりいい曲だった。指揮はほぼ同級生の園ちゃんだし(最高)、ゲストコンマスの須山くんもうるっとツヤっと天下一品だったし、ハープの松村えりさん♡は我が同僚先輩ながらやっぱりダントツに上手いし、京響も今月は瞳孔開き気味な忙しさだけど良い集中力で一致団結乗り切って、楽しい楽しい数日でした。
『白鳥の湖』は、私が学生時代にプロのオーケストラへエキストラで呼んでもらえ始めた頃に東京交響楽団さんにお世話になった思い出の演目です。リハーサルがほんの数日と、新国立劇場で一週間近く本番が続きました。あの頃は、まだ現場に近づくだけでも息が止まりそうで、現場にいる間じゅう生きた心地もしなくて、吹いても吹いても終わらないような分厚い楽譜を超多忙な団員さんがいつ勉強して何故よどみなく一糸乱れず演奏できるのか謎すぎて、何食べたら三時間とか集中力が持続するのか、どうやったら毎日本番とかいう状況に耐えられるのか…すべてすべてが謎で死に物狂いだった苦笑。恐らくいっぱい迷惑をかけながら、全然余裕がない中でも必死に周りを聴いてついていって、だから、今でも、白鳥湖といえば、あのとき隣で1番を吹かれていた十亀さんがどんな音でどんな風に吹かれていたか、目に見えそうなくらい鮮明に思い出します。本当にたくさんのことを教えていただいたなぁと、改めて感謝しながらのthe second time 白鳥湖 for meでした。
(エキストラ当時に使ったコピー譜。ボロッボロ。書き込みも幼く、必死。)
白鳥湖といえばオーボエなことに特に異論はないけど笑、クラリネットもまーまーいい仕事してます。冒頭いきなりのオーボエソロはひたすら切ないキャラ。だけど、その後すぐ続くクラリネットの短いソロで、物語が悲劇へ向かうことを一瞬にして暗示してしまう。…と、私は勝手に思っています(勝手に思うのが結構好き笑)。だってここはA管。チャイコフスキー、分かってるなぁ♪うんうん♪
はぁ。いい曲だった。
カーテンコールの時だけ、ちょっとだけダンサーさんが見えたけど、はぁ、おやつなんて全然食べなそうな綺麗な身体だった。ごめんなさい。
さぁ!
いよいよ、トゥランガリラ!
外人落書きしすぎだから笑。変拍子じゃなくて嬉しい気持ちはわかるけど笑
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