ブルックナーの散歩道

本棚のあるカフェが好きです。

趣味はカフェめぐりですなんて言ってる人、暇なんだなと思っていた若い頃(ごめんなさい謝ります!)でしたが、トシとともになのか、自分の演奏活動の隙間の時間のほとんどを誰かしらのレッスンに取られるようになってからなのか、どうにもこうにも高ぶったり落ち込んだりした気持ちをうまく切り替えられなくなってきて(または出て行く一方の自分のエネルギーをうまく補完できなくて)、そんな時は決まって、チャリを飛ばして遅くまでやってるお店へ逃げ込んでしまいます。
こんな時、お酒を飲めたら夜の町に選択肢は広がるのだろうけど、あぶないあぶない、飲めなくて本当に良かった。

私のために誰かがいれてくれたお茶をのんで、ぼーっとして、誰とも喋らなくてよくて、目ざわり(目は触らないけど、手触りとか舌触りとかの親戚的なイメージ)のやさしい本を読むともなく読む。

(例えば今日↑)

それで少しはスッとする日もあったり、そんなことしても結局どうにもならない日もあったり。ふぅ。


ブルックナーNullte、終わりました。
下野さんがプレトークで、
「特に盛り上がるところもない、晩年の作品に比べれば随分整理がついていなくて稚拙と思われる部分もあったり、冗長であるように感じたり、取り立てて分かりやすい聴きどころがあるわけでもないような曲ですが、…中略…初めて来た森の中をゆっくり散歩しているような気持ちで、聴いてみてください。植物学者じゃないから1つ1つの木や草の名前を分かるわけじゃない、だけど、名前を知らなくても、あぁ、綺麗だなと素直に思ったりできるでしょう、そんな気持ちで」
私の曖昧な記憶と勝手な意訳も含まれてると思いますが、だいたいそんなようなことを仰っていました。なんと言い得て妙だな、さすが下野さん!と思いましたが、私たちにとっては何と清々しく美しい、きっとまた戻ってきたい、忘れられない散歩道になりました。お客様にも、そんなふうに感じでいただけていたらどんなにか嬉しい、と思います。寒い中、お天気もぐずっとしていた中、お忙しい中、貴重なお時間を私たちとご一緒に過ごしてくださった皆さまに感謝いたします。
パスカル・ロジェさんのモーツァルトも、天国的に美しかった。


ハーモニーって、もちろん音程の高い低いがきちんと合っていることが前提だけど、やっぱり、バランスと音色と和声の性格、響きの方向性がものすごく肝なんだなぁと、シンプルなゆえにとても難しいブルックナーのあちこちを吹きながら、美しすぎて逃げ場のない木管コラールの響きの中でいろいろ試したり見つけたり確信したりしながら、下野さんにもいっぱい教え導いて頂いて、毎日毎日、とても充実していました。音程だけは、自分が正しいかそうでないかはあまり問題ではなくて、相手のあることだから、相手のいる中で自分がどれだけのことを出来るかであって、他方、響きの中で自分の居場所を見つけられるのは確かな仲間の中にいてこそだから、嬉しさがとてもとてもでした。実技試験時期だから学生たちに勧められなかったけど、今回こそ来てほしかった公演だったと思いました。プロが現場でどれくらい繊細で柔軟な作業に取り組んでいるか、オケでぼちぼち吹くようになって難しさを分かり始めた彼らなら、寒気がするような箇所がいくつもあったはず。そうでない人には、どこも難しくないように聞こえていたら、嬉しいな。
あぁ、オケって楽しい!

そして何と言っても今回は榎田さん!!
元大フィル・フルートの榎田さんが客演首席でいらしてくださっていました。ただものでないオーラがやっぱり凄くて、そして木管フルートの温かい響きがブルックナーにとても合っていた気がします。すごかったー!!

そしてそして、やっぱり、下野さんが凄かった。

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お客さまからいただいた、おかきの素(?)。煎ってみました。まぁまぁ上手に膨らんだかな?

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