つやつやリヒャルトおじさん

意外に早かった賞味期限が切れてしまったのを見なかったことにしてまだ慌てて毎日一生懸命食べている、ちりめん山椒をおにぎりに混ぜ込んでリハーサルに挑みました。おにぎりは美味しいけど、口の中で弾ける山椒が私にやさしくない。厳しいのもいいけど、今はやさしくして。お願い。


…というわけで、新学期が始まって早くも疲れ果てつつ、今週末のロームミュージックフェスティバルに向けてのリハーサルが始まりました。今日は、一日じっくり、『英雄の生涯(リヒャルト・シュトラウス)』。指揮は、下野竜也さん。下野さんの厳しくも愛あるリハーサルにしごかれながら、あーなんていい曲なんだー、と、改めて皆で感動しています。

リヒャルト・シュトラウスって、“ドイツの”作曲家で間違いないと思うのですが(もちろんウィーンでも大活躍されています)、わたし個人としてはウィーンで勉強してウィーンで沢山聴いて感じた作曲家なので、どうしても、私の頭の中では金ピカの楽友協会や夢みたいな装飾の天井や夢みたいにあまいお菓子や上質のSchlagobers(シュラークオーバース=生クリーム)が浮かんで、ウィーンのオーケストラが自分たちの音楽として愛して演奏していた芳醇なレガートや世界のどこにもないチャーミングなスタッカートを思い起こしてしまいます。

というわけで、今日こそどうしてもKeiserschmarren(カイザーシュマレン)を食べたい!と思って、帰ってから作って食べました。
(もう外が雨で暗くて、蛍光灯の下で撮ったひどい色ですすみません笑)

これまた期限があぶない頂き物のPaul Bocuseのアプリコットジャムを添えて。
要するに卵が多くて生地はあんまりこってりしてなくて焼いたらフワッフワになるホットケーキを、ひっくり返すのを失敗してヤケクソでぐじゃぐじゃにしたような食べ物です笑。ひと粒も写ってないけどラム酒に浸したレーズンが結構混ざっているのがアクセント。粉砂糖いっぱいにジャムなんて、と思うけど、生地自体には意外にもほんの少ししかお砂糖が入っていなくて、卵と牛乳と小麦粉です。国が全然違うけど、モンサンミッシェルの何とかおばさんのオムレットと似てるのかも、と思いました(ひっくり返すのを失敗しなければ!)。


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奇才・リヒャルトシュトラウスの作品は、音の洪水で絢爛豪華なイメージや、雄々しく猛々しい印象のほうが強いかもしれませんが、今日吹いていて


これは“許し”の音楽だ


と感じた時があって(まったく個人の感想です。)、前吹いた時はどう感じたか忘れたけど、とにかく改めてハッとしました。
力強い場面場面のはざまに、何とも麗しく優しく、艶やかで豊かな音楽。そっと手を取られたり、やさしく抱きとめられて、「いいんだよ」「大丈夫だよ」と言ってもらえているような、なんなそんな。
そんな象徴的な瞬間を、他の誰でもなくクラリネットが担っている気がして、だから難しい!リードないんだってば…とぶつぶつ言いながら、あと数日、音探しをします。下野さんにも許されたい笑。

明日もう1日リヒャルトをリハーサルしたら次の2日間で蝶々さんのほうの公演のリハーサルをして、土と日でコンサート。よい天気になりますように。

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