友達はイイもんだ

久しぶりに、友達・マリコの歌を聴きに行きました。

聴きたいコンサートも大切な友人知人の本番も、自分の本番と重なって行けないことが多いのは、同業の哀しさ。なので、運良く都合がつく時は、遠くたって何だって駆けつけるようにしています。喉から手が出るほど、という表現が相応しいかどうかは別として、とにかくすごく行きたかった彼女の大舞台を何度も逃したこの数年。ようやく念願叶ったのは、思いがけない5月の幸運でした。


舞台に現れた彼女の、ドレスの肩の装飾がキラリと光った瞬間に、“いま”の彼女を見た気がしました。堂々たる立ち姿と歌声に、彼女がこれまでくぐり抜けてきた道のりで勝ち取ってきたものの価値が、そのまま現れているように思えました。
ウィーンにいた時は、まだまだ自分を探しているようだった。あぁ、見つけたんだな、と、彼女が歌っていた15分くらいの間に、いろんなことを思い出したり考えたりして、涙が3回くらい、出たり止まったりしました。
音楽って人生なんだなぁ。


旅の目的は、もう一つありました。
私たちのウィーン時代の大切な友人ミツキの、お母さんが半年前に急逝されたと聞いて、会いに行こうとなっていたのでした。マリコの家に泊めてもらった翌朝、そんなに早起きはせずに電車に乗ってミツキの住む街に着くと、変わらず弾ける笑顔のミツキが迎えに来てくれていました。マリコと一緒にお花を選んで、お墓参りをさせてもらい、お線香をあげさせてもらって、それから、3人で近場の温泉に1泊しました。

マリコとミツキはウィーン留学が長くて、ルームシェアをしていた時期もあるほどの仲。そこへ、私が、たった1年、留学して、彼女らと出会ったのでした。

遅い留学で得た1番の宝物は、友達だと思っています。30を過ぎて、普通の人生だったら新しい友達などそうそうできるものではないでしょう。できたとしても、大人になってからの友達って、子供の頃や学生時代にできたそれとは、ちょっと違うものだと思います。ところが、私には、幸いなことに、文字通り「学生時代の友人」が、あの1年でたくさん出来たのです。

マリコとミツキとは、冷静に考えれば、ウィーンで出会って、たぶんまだ数えられるくらいしか会っていないし、それほど多くの時間を一緒に過ごしてないのだと思います。でも、もうずっと昔からの友達のように感じます。自然で、さりげなくて、大胆さと細やかさのバランスが絶妙で、そんな2人が大好きで、尊敬しています。
それぞれがそれぞれのタイミングで帰国してからも、それぞれとは何度か会いました。だけど、3人で会うのは久しぶり。積もる話は尽きず、お互いの近況のこと、ミツキのお母さんのこと、それぞれの家族のこと、健康のこと、恋バナ…は長くは続かず笑、結局気がついたら仕事や音楽や生徒がどうとかという話になっていて笑、こんなとこまで来てそんな話しなくて良くない??と笑いながら、またすぐ話がそっちに戻ってしまったりして、でもそれは多分、それぞれに活動が充実している証だな、と嬉しく思いました。

(留学が長くなればなるほど、日本での活動再開が難しいのをよく知っています。私は、就職してからの留学…つまり帰る場所があっての留学だったからアレだけど、今こうして、お互いのスケジュールの隙間を縫うようにしてしか会えないほどに忙しく活動し、フィールドはそれぞれ違っても同じ熱量で実際的な話をし、未来を語れる嬉しさに、完全帰国してからの彼女らの言い知れぬ努力を思いました。)



音楽を志すことに決めた日、あまりに練習漬けの毎日で友達も諦めなければならないかもと思っていたと、前々回くらいかな?書きました。でも、音楽が繋いでくれた友達もいて、私が練習に明け暮れている間も友達で居続けてくれた旧い仲間もいて、音楽を熱く語れる友達もいれば、音楽を離れて打ち解けて話せる友達もいる。いつもは会えなくても、近くに、遠くに、味方がいる。全部を言わないでも、多くを聞こうとせずに、わかってくれる友達がいる。頑張っても頑張ってもどうしようもなかった時、力尽きた時、

「でも、ナオコはよくやったと思うよ。」

あの子ならきっとそう言ってくれるだろうと目に浮かぶ顔がいくつかあるのは、とても心強いものです。大人になると、どうしようもないことや、人に話しようもないことが、だんだん増えてくるから。友達の存在は本当にありがたいです。



それにしても!音楽の友達はタフだ!私が一番ナマっていた!
運動します…
(注※文中のマリコとミツキは仮名です)


生徒たちが、毎年誕生日に寄せ書きをくれるのです。
今年はビックリ箱方式で、箱を開けたらメッセージを書いた面がハラリと広がって、中央のこの六角形のボードがびょんびょん〜と揺れていました笑。かわいい笑。
生徒たちとも、そのうち、長く続く友達のようになれたらなぁ。素敵な子たちがたくさんです。

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