チャリティコンサートのお知らせ
元日のあの時間ですから、夜のご馳走の準備が始まっていたかなぁ。お昼から集まっていたら、ちょうど腹ごなしに外へ遊びに行っていたり、2階にあがる人がいたり、三々五々、という頃かなぁ。せめてお昼にご馳走をお腹いっぱい食べられていたかなぁ。せめて最後に一緒に過ごせて良かったかなぁ。帰らなければ、帰ってくるなと言えばよかったかなぁ、そんなことは、ないんじゃないかなぁ…
潰れた屋根の下に、何があったろうと、思わない日はないです。
ましてや、こんな、雪が降って、京都の街なかでさえちらつき始めた雪を見上げて、ますます胸が塞がります。
黙って自分の出来る範囲の寄付をしておくのが一番楽じゃないか、何か動くとなったらまた大変やでアンタ、また偽善とか言われるかな、思われるかな…とか、いろんな思いがぐるぐるしましたが、やっぱり、1人で出来ることには限りがあるし、何もしないで居られない気持ちも確かだと思いました。それなら、被災地支援だけでなく色んな「やる意味」を含ませられるよう頭使って工夫したら、少なくとも私の中の迷いは解決すると結論が出たので、学校が始まってから学生らと色々話して相談しました。
彼らの奔走によりここ1週間くらいでぐるぐるぐるっと形が見えてきて、開催の見通しが立ちましたので、こちらでもお知らせさせてください。
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京都市立芸術大学クラリネット科&Friends《能登半島に心寄せるチャリティコンサート》(すごく仮題)
◆日時 3/4(月)15:00頃〜20:30終演予定
◆会場 遠藤剛熈美術館(下京区高辻猪熊町349)
◆出演 京芸cl科専攻生、卒業生
他大学などからも出演募集中
小谷口直子(京響首席、京芸非常勤講師)
◆料金 無料
◆主催 京都市立芸術大学クラリネット科
元日に起こった能登半島地震の惨状に胸が詰まり、言葉が見つからないままです。何か起こるたび、私たち音楽を志す者は己の無力を痛感します。でも、今回は、コロナ禍のあの時とは違って、仲間と力を合わせることができると気づき、学生たちが立ち上がりました。まだまだ未熟なところもありますが、今できる精一杯を、披露させていただきます。入場無料といたしますが、当日会場にて能登半島地震への寄付を募らせていただきますので、そちらへお気持ちを頂戴できれば大変嬉しいです。
また、彼らは、コロナ禍によって人前で演奏する場や、仲間と集って音を重ねる機会を多く失った世代でもあります。自分たちの演奏を聴いてもらえる嬉しさ、自分の音が誰かの心に届く喜び、それが形を変えて遠く誰かの役に立てるという実感を、若く柔らかい心に確かに得てほしい…そのような願いも強くあります。
平日の開催になりますが、午後から夜まで、休憩時間も多く取りながら、途中のご入場・ご退場も大歓迎といたします。学校の垣根を越えて思いを同じくする仲間も迎え、コンサートとは言いながら、若い人たち相互の勉強会、そして、出演者とお客様との交流会として、多面的に有意義でひらかれた会にしたいと考えています。
詳細は、学生たちの後期試験が終わってからとしたいですが、順々に決め、京都市立芸術大学クラリネット科の公式instagram、X=旧Twitter等にて随時情報公開・更新してまいります。(このブログでも改めてきちんとお知らせさせていただきます。)
現時点ではこのような急拵えなお知らせになってしまい、失礼いたします。ご興味をお持ちいただけるようでしたら、どうかよろしくお願い申し上げます。
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先日の京響定期でも、2日間で100万円を超える義援金をお預かりしたと聞きました。私自身も、2日間、玄関ホールの片隅に立たせていただき、久しぶりにお会いできたお客様方のお元気そうなお顔に大変嬉しく思ったと同時に、やはりクラシックファンの方々は篤志家の方が多いなぁと、改めて感激しました。
その光景を目の当たりにして、はっきりと分かったことがあります。音楽なんかやってても、何の役にも立てない、と、落ち込むのはやめました。一生懸命研鑽して、心こめて出した音が、誰かの心に届いて、喜んでもらえて、それが、なにかの形を生み出すことができるんなら。私は、それだけの価値ある音を、この手に堂々と持っていたい。29年前、被災地の真ん中で音楽を選んでしまった後悔を、今やっと、
「そんなことはないよ」
と、自分に言ってやれる気がしています。皆さんのおかげです。感謝し、次の行動を起こします。
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