お昼だけど夜の歌

マーラーの交響曲第7番「夜の歌」、3日間のリハーサルを終えて、遂に明日と明後日が本番です。

2時間ないんだから、(パート譜で)30ページちょっとなんだから、ジークフリートに比べればマシなはず、マシなはず、だって80分だったらジークフリート1幕だけだょ余裕なはず…と思って(願って)いましたが、交響曲は誰も歌ってくれないんだということを忘れていました(°▽°)…そしてジークフリート1幕も、吹いても吹いても終わらない感じでしたそう言えば…(T-T)

オーケストラのオリンピックみたいな曲です(しらんけど)。
垣本さんはオペラを降りていて大正解だったと皆が納得する大活躍ぶり(オペラに居なかった人が全員健康そのものに見える)。絶賛花粉症中の水無瀬くんもオペラに引き続いて見事だし、私の背後でハラルドと稲垣みっちゃんの世界一美しいんじゃないかと思うラッパが聴こえます。ファゴットチームは広上さんのリクエストで〈汚〉キャラを熱演しているし笑、私の大好きな小西さんのバストロンボーンのソロなんてもう、本当に好きになりそうです♡。オーケストラ界の加山雄三みたいな素晴らしさです(個人の感想です)。バストロンボーンのソロなんて普段そうそう無いので、ぜひ皆さま、これをお聴き逃しなくです!それから、日本が誇る中山こうちゃんのティンパニも炸裂しますし、大変です。宅間さんのアルプスチームは、大いなる癒しです。お名前書ききれませんが、みんな死力を尽くして(5月のお休みを細目で眺めながら)頑張っています。
広上さんと、みんなで、実にいろんなテンポを試しながら笑、明日にはちょうどよいところに収まりそうな気配。
「夜の歌」とは、全5楽章のうち第2楽章と第4楽章に[Nachtmusik](直訳すると、夜の音楽)とあるからだと思います。同じ「夜の音楽」でも、ふたつの音楽のもつ雰囲気は大きく違いますが、両方の楽章で、クラリネットは重要な役割を担います。第2楽章では、夜の森の、深くて広い闇の中へ目を凝らしていくような、そしたら鳥や梟や蝙蝠がいた、とでもいうような、まさにそこへ誘(いざな)っていくような役目かなと思っています。第4楽章では、ホルンやマンドリンやギターで奏でられる夜のセレナーデを嬉しく味わいながら、だんだんに、ほら、そろそろおやすみなさいの時間よ、と言うお母さんのような役割だと感じています。最後は夜の鳥がホーホーと啼いて、“Gute Nacht(おやすみ)”。ようやく、だんだん、気持ちよく、おふとんに入ろうかな、と思えるような風合いに落ち着いてきましたよ。(ごめんなさい、いつもながら何の解説も読まず、単に音楽から受けた個人的な印象です。全然違ってても怒らないでくださいね◯)
…で、第1楽章が吹いても吹いても終わらない長さで(終わります)、そしてとても複雑奇っ怪で体が慣れるのに時間がかかりました。第3楽章と第5楽章は練習してて泣きました。

マーラー、これで私もようやく全交響曲を経験できたことになります。ありがたいことです。
1番は信心深くなり(カッコウの成功を神に祈るから)、5番はベルアップの分量が多すぎて首と背中がやられ、8番では耳をやられましたが、この7番は持ち替え(Bb管⇄A管)が頻繁すぎて手首がやられそうです。やられてます。物理的に絶対間に合わないので一部諦めたり、書き直したり、大勢に影響なければいくつか音を捨てたりもしていますが、それでも、もう、頭がぐるぐるするような忙しさです…持ち替えのない楽器の皆さんが心底羨ましいです…クラリネットだけがバタバタしている様子も、どうぞお見逃しなく…(苦)
(リハーサルが終わってもスコアと睨めっこでピアニカを奏でる広上さん)


さぁ、もう一回、第1楽章を復習してから寝ます。おやすみなさい。