家庭科の時間

今日か、明日か、と桜の見頃をソワソワ待ちながら、隙あらば針先を見つめ続けるここ数日です。あぁ忙しい、忙しい。笑 


可愛い姪っ子ふたりが、この春いっしょにピカピカの1年生なんです。

「給食袋、作らせてもらってもいい??」

とワクワクお願いしたのは去年の秋頃。いつか暇の出来た時にきっと、と思っていたら1日もそんな時がこないまま3月が終わってしまって、今。笑。可能な限りの予定を掻きわけて、もう、この3日くらい、音楽の時間以外の全部が、モーレツに家庭科の時間です笑。(そして、仕事に追われている時よりご飯の内容がひどくなっております…時間がなさすぎる…)


母が、私が幼稚園に上がる時、不思議の国のアリスだったか何かのモチーフで、一面に綺麗な刺繍を施したお座布団カバーを、作ってくれたんです。はい、どうぞ、と、母に手渡してもらって初めてそれを見た時の

「…!!!!!」

という気持ちと、その後も毎日のように園で座っていたお座布団の、母の刺した色とりどりの糸のひと目ひと目を、食い入るように眺めては
〈きれいだなぁ〉
〈すごいなぁ〉
〈ここから(糸が)こう出て、ここにこう入って…〉
と、いつまでも見ていられるような気持ちだったことを、今でも、可笑しいほど鮮明に覚えています。
(子どもにとって、幼い頃の1日1日、ひとつひとつの経験がどれほど貴重かということをつくづく思います。あの、お座布団のひと目ひと目をしげしげと見つめる眼と心は、今にそのまま、続いていると感じます。)
あのワクワクを、私も誰かにお裾分けしたくて、姪っ子たちにお願いしたのでした。…とは言っても、刺繍って、やってみると思った以上に途方もない作業で(汗)、いつのまにか働きすぎのおじさんみたいな暮らしぶりになってしまった今の私には、あの頃の母のようにお座布団一面というわけにはいきません。それでも、小さな給食袋にひと刺し、ひと刺し。どうか元気に、無事に、楽しく、まいにち学校に通ってほしいなぁ、と、願うばかり。



それにしても!!
本を先生に、見よう見まねでの独習なので、たぶん刺繍の基礎をきちんと習っていたら多分しなくて済んだんだろうなぁと思うような苦労やアクシデントや突然押し寄せるドン詰まり(笑)を何とかネジ伏せての四苦八苦。あぁ、基礎練習もキチンと積まずにマーラーとかやっちゃうアマチュアの人ってこんな感じなのかなぁ、と苦笑いしつつ、まぁでもコレでも楽しいといえば充分楽しいなぁ、なるほど、と、小さく納得しながら、またひと刺し。ひと刺し。
お目々が入りました♡



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