1月の出演予定

…つ、つながりました…びっくりした…

大人にも通知表があったら、わたしは「機械」の項目が完全に『1』なので、本当に生きにくい世の中になってしまいました。
コロナで世界が一変するついでに、インターネットとかパソコンとかスマホとかデータで送信とかパスワードとかIDとかの全部がなくなったらいいのにと密かに思っていましたが、やっぱりなくなりそうにありませんね…。新年早々、不得意科目の緊急事態に遭遇して白目むいていました。色々を乗り越え、ブログのアプリを取り直して、ログインし直す、という作業が、いま、やっと、できました…お久しぶりです…

遅くなりましたが、新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


書こうと思っていたことのほとんどを忘れましたが、まずは1月の出演予定を書きます。


【京都市交響楽団 ニューイヤーコンサート】
1/7(金)18:45開演(豊田市コンサートホール)
【特別演奏会『ニューイヤーコンサート】
1/9(日)14:30開演(京都コンサートホール)
【第29回 京信ニューイヤーコンサート】
1/10(祝)14:00開演(京都コンサートホール)
指揮:大友直人
ソプラノ:市原愛
曲目:喜歌劇「こうもり」序曲(J.シュトラウス2世)、わが夢の街ウィーン【ジーツィンスキー)、ワルツ「スケートをする人びと」(ワルトトイフェル)、歌劇「魔弾の射手」序曲(ウェーバー)ほか

【くつろぎコンサート アルカイックウィンドアンサンブル2022】
出演:市川えりfl、大島弥洲夫ob、小谷口直子cl、三谷政代hr、村中宏fg
曲目:恋人たちの黄昏(フランセ)、木管五重奏曲(ホルスト)、幻想小曲集(シューマン[Fg版])、五重奏曲(カプレ)ほか

【第663回 京都市交響楽団定期演奏会】
1/22(土)、23(日)両日とも14:30開演(京都コンサートホール)
指揮:井上道義
チェロ:上野通明
曲目:「フィンランディア」(シベリウス)、交響曲第7番(シベリウス)、チェロ協奏曲ホ短調(エルガー)、序曲「南国にて」「エルガー」


2022年は、愛知県豊田市の美しいホールから本番始めでした。
クラリネットを勉強するならウェーバーの『魔弾の射手』を観なければ、と先生に教わったのは、アガーテと同じくらい純真な頃だったと思います。序曲だけで、この楽器には乙女の胸の高鳴りと地獄の唸りの両方が任されるんだと知ることができました。久しぶりに魔弾を吹けてとてもハッピーでした。中間部の、クラリネットの大ソロは(主要なオーケストラスタディ課題の1つです)、自分たちの結婚のかかった射撃大会に出る恋人の勝利を確信しつつ、一抹の不安をよぎらせながら、でもそれを払いのけて愛の喜びを高らかに歌い上げるアガーテの歌。恋人マックスは、勝利とともに愛するアガーテとの結婚を勝ち取りたいと思うがゆえに不安が募り、悪魔の誘いに乗ってしまう…女の勘はいつだって当たるので、何も知らないはずのアガーテをふいに襲う不安はまさにそれなのですが、でも、最終的にはアガーテの強く信じる心が恋人を守るんですねぇ。狼谷にこだまするカスパールとザーミエルの不穏な声は、序曲の序盤と後半に聞こえます。序盤のホルンは、悪魔の谷と平和な人里を隔てる、ドイツの深く美しい森。マックスの苦悩に喘ぐような旋律もクラリネットが担当します、カスパールの絡みつくようなチェロを振り払うようにして。嫌な予感は一旦フルオーケストラで頂点に達し、そして射撃大会の始まりを予感させる祝祭的なホルンが高らかに響く中から、いよいよあのクラリネットソロが始まります。キター!アガーテ、信じて大丈夫だょー!いけー!
…と、わくわくドキドキしているのは大体クラリネットの人間だけで笑、オケの他のひとたちは概ねポカンとしているのが世の常なのですが、でも、いいんです。笑

そうですねぇ、私たちも、どうしても当てたい音がある時、どうしても成功させたい本番がある時、そうですねぇ、狼谷に行ったら『絶対うまくいくリード』があるなら、買っちゃうかもしれませんねぇ(買わへんけど)(売ってないし)…とか。
そうか、そもそも射撃大会に出る側になっちゃったらアカンかったのやわ!…とか。
射撃大会に優勝しそうな青年をシッカリつかまえて幸せなお母ちゃんになっていった友らの年賀状をたくさん思い出したり。

まぁ、でも。いっか。
『魔弾の射手』。いつか全幕吹いてみたいです。


今年は、10月の定期でウェーバーの協奏曲を吹く予定です。
新年早々、父が大事に持ってくれている20年前の録音を聴かせてくれました。日本音楽コンクール優勝記念の演奏会で、新日本フィルの皆さんと。なんと20年前なのかと驚きますが、新日本フィルさんの素晴らしいサポートに改めて感謝するとともに、20年前の自分が想像以上に自分だったことが面白くて、24歳の自分にひとまずの心からの祝福と、あの日から今日まで頑張りぬいた自分を労うような気持ちでいっぱいになりました。

10月は、心技体すべてをゆっくり整え直してて、24歳の自分に恥じない演奏をしたいと思っています。
応援していただけたらとても嬉しいです。



(注)
魔弾の射手の物語と序曲にまつわる色々は、私の遠い記憶と幸せな思い込みに基づくもので、事実と異なる場合がありますが、ご了承ください。
Naoko Kotaniguchi Official Blog

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