次はバルトーク

ここまでで、6月の20日間で18回の本番をしました。さすがに、いつもとひと味違うヘトヘトぶりです。

だけど、先週のリハーサル開始が1日遅くなったせいで、値千金のおやすみ1日ができました。嬉しくて嬉しくて、迷わず、すっかり諦めていた山下清展に行きました。
ほとんど「裸の大将」でしか知らなかった山下清さんの作品、初めてしっかり鑑賞することができました。最終日でしたが、雨だったこともあって、それから佐川美術館はやっぱりちょっと穴場で、まぁ日曜日の最終日だからそれなりに人は多かったですが、我慢できないほどでなく、小さなお子さんたちも結構来ていて楽しい気分で、作品はどれもこれも圧倒的で、とっても楽しめました。『ヨーロッパぶらりぶらり』で読んでいたヨーロッパ旅行の時の作品もたくさん見られて、ふふふとなりました。
本番が続くとどうしてもアウトプットばかりで自分の心が枯れ果てるので、心を耕せるインプットが絶対に必要。楽器を背負わないでのお出かけも、貴重で、それは驚くほど身軽で、涙が出そうでした。

そうして先週を再び嬉しく頑張って、今週からは、定期。久しぶりのバルトーク『管弦楽のための協奏曲』(通称『オケコン』)です。
我々にとっては初めての指揮者、グランディさん。初めての指揮者、特に日本人でない指揮者の場合は振れ幅が大きいので、いつも

「どんなかなー…」

とドキドキしますが、グランディさん、若くて元気で明るくて、そしてとっても素晴らしいです。変拍子を、演奏する側にとってストレスなくクリアに振れる指揮者って、実はそんなに多くないと日々感じています。すごくスッキリ正確なタクトさばきと、明確な音楽作り、そして何より、溢れる才能を神様に託された人特有の大きな明るさが素晴らしい。オケコンはそもそも演奏する側にとっては見せ場たくさんで本当に演奏し甲斐のある、オケがど真ん中な作品。バルトーク天才。今週も本当に楽しいです。感謝。がんばります!


そしてようやくサロメのスコアを手に入れまして(遅)。わくわくするけど、いま開けたら、開けた途端に心身ともにサロメ100%になってしまうので、土曜が終わってからにしようと思っています。こわいこわい
サロメは正直に言うともっとも苦手なオペラで、観るたびにいつも具合が悪くなってきたので、果たして中に入って正気を保てるのか心配。びわ湖の合間にも物陰からどこからともなく明らかにサロメのそれとわかる一節のカケラが聴こえてきて、そのたびにゾゾゾとなっていました…サロメ心底苦手…。あまり物語の色々を深く感じすぎることをせず、わたくしはひたすら目の前のオタマジャクシを追いかけることに集中して何とか乗り切りたいと思っています。クラリネット6人です。楽しいエキストラの皆さんにも助けていただく予定です。