湖上の美人

第九を一度も演奏しない年末が、過ぎていこうとしています。

こんなことは、25歳でオーケストラに入団してから初めてのことで、とても戸惑っています。
やはり、この寒さには、1年のおしまいのこの時期には、第九がないと、淋しいなぁ…と、しみじみ思っています。1年の最後に、仲間と一緒にあの大きな山のような作品に全力で立ち向かって、3楽章冒頭では隣りあう4人(クラリネット2、ファゴット2)で互いの幸運を祈り合って、膝スリスリで静かに無事の成功を讃え合って、そしてその後のしばらくを白目むいて頑張り(3楽章は本当にキツいんですね、昔よりは平気になりましたが、天国的なキツさです)、4楽章の中野さんFgの素晴らしい調べを隣で聴きながら1年の色々を振り返って、あぁ今年もみんな元気で頑張れて良かったなぁ、無事に1年が終わるなぁ、と、じーんとする…そして帰ってくたびれ果てて半透明になりながら年賀状作成に突入する、というのが、もう何年も、年末の恒例でした。私の怪しい未確認記憶では、たぶんだけど2006年に首席になってからは年末第九を降りることは確かなかったはずで、ウィーンで年を越した2010年を除いて、ずっとそうだったんじゃないかなと思っています。たぶんだけどです。

それが、今年は、遂に叶わず。
半年前から薄々わかっていたこととはいえ、いざとなると、とても変な、物足りない感じです。今年はコロナで人間ドックも受けそびれたけど、何か、それと同じくらい、寄る辺ない感じです…

そして、なんと、前後の公演を含めて乗り番を調整した結果、代替公演の「チャイコフスキー・ガラ」にも乗れなくなって!しまい、しょんぼりと一足お先に仕事納めでした(ニューイヤーを降りたい同僚にどうぞと譲ったものの、降りてみればやっぱり淋しいもんです)。
京響友の会の、あるいは京響ファンでいてくださるたくさんのお客様がたのお顔が目に浮かびつつ、年賀状を書きながら、公演の成功と皆さんの年末があたたかいものとなるようお祈りしています。



2020年は、もともと充電の年にしようと思っていたのがコロナでほんとに充電期間になり、だけど来春以降は楽しみな予定が少しずつ決まってきています。
その、最初のひとつが、いつもお世話になっていますびわ湖ホールさんでの『気軽にクラシック』。土曜の午後、約60分の気軽なコンサートです。
せっかくびわ湖ホールさんで演奏できるから、と、今回はロッシーニの『湖上の美人』による変奏曲をメインに、歌にまつわるプログラムでお届けしたいと思っています。
共演は、大学の2つ上の先輩で、ご近所で、焼き鳥仲間で(笑)、たまたま偶然(←ほんとに)教習所仲間でもあった西脇小百合さんと。意外にサシでは初共演で、とても楽しみにしています。たのしいコンサートになるよう、頑張って練習します。良かったらおはこびください☆

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