お知らせ
春先〜初夏にかけて、思いがけず本番(個人的なとても嬉しい)が重なることになり、さまざまな事務作業ややりとり、手続き、曲決め、下調べ、原稿書き、練習などなどに追われている先月来です。
そこへ、もう一つ光栄なお話をいただき、急ピッチで色々進めたコンサートのお知らせを、ようやく出来る準備が整いました。
京響にも客演首席で来てくださって、何度かご一緒させていただいています藤森亮一さんに「何か一緒にやろうよ」とお誘いいただき、アートスペースHaseさんのオーナー・ユミコ先生が藤森さんと高校の同級生でいらっしゃるご関係で、コンサートをさせていただけることになりました。
どんな風にコンサートを組み上げるか、色々なパターンを考えご相談していく中で、コロナの緊急事態宣言が再び出てしまったりもして、それこそ終演時間をどうするかから、1時間のコンサートにするのか、もうちょっと長いなら休憩はどのタイミングで入れるのか、ならばどのプログラムをどんな風に組んだらいいか、さんざん考えました。
やっぱり、こんなコロナのややこしい中で、…つまり、演奏会はしたいけど、来て!って言いにくい中で、こちらも気を使うし、来てくださる方も気にしながらになるし、席数を減らしたり、換気しながらだったり、時間の制約だったり、決してやりたいように100%やれるわけではない条件下で、それでもやるなら、ただやりたいから、というだけではない何かがほしい…そう考えていくうちに、
〈大人の私たちが、ただやりたいからという理由でただやりたいようにコンサートを開いて、聴きに来て!って言うだけをただやっていていい時なんだろうか?〉
という気持ちが、ふつふつと湧いていました。
いよいよ長引くコロナ時代に、私たちも、もちろん、自分の気持ちやコンディションを何とか保つのに精一杯のような危うさを感じながらやっています。だけど、もっと根こそぎ機会を奪われている若い人たちに、ただお客さんになってほしいとは思わないんです。一緒に音楽やろうよ、ほら楽しいよ、音楽は、マジで勉強してマジで分かり始めてこそやっと楽しくなっていくもんなんだよって、これは、本当に、マジでやってる大人と隣で音出してみて初めて見えてくる景色であったりもするので、そして私も若い頃にそうやっていっぱい教わってきたので(お仕事させていただきながら)、コロナが終わって普通にバンバン若手がシゴトに呼んで貰えるような時代が戻るまで、普通にバンバン自分たちで本番作ってチャレンジ出来る時代が戻るまで、コロナのせいで奪われた色々の代わりに、平常時なら絶対できないようなことを、コロナのおかげで出来るよねとか言いながら実現出来たら嬉しい。…そんなふうに思って、今回は、コンサートの前の時間で、「私たちと共演しながら勉強してみませんか」のコーナーを設けさせていただきました。
時間的に3枠が限界で、受講は3名の方にしかしていただけませんが、勉強中の方、これから勉強する方は、譜面持って聴講に来るだけでも、絶対勉強になると思います。家でCDやYouTubeを聴いてるだけじゃ分からないことが、生のコンサートに接して初めて分かるっていうのはもちろんとてもあります。その上で、だけど、コンサートを客席の暗がりでガッツリ譜面見ながら聴くことはなかなか出来ない(笑)し、コンサートでは失敗しない1回コッキリをただ通して聴くことになります(運が良ければ、失敗する場面に遭遇できたら、それは勉強している若い人にとっては大変な収穫だと思います。我々にとっては死ぬほど落ち込むことだけど!)。自分が吹くのでないリハーサルを聴けること自体が、まずもってほとんどないでしょう、だけど、リハーサルで、どんなふうにうまくいかないのかとか、それをどういうふうに解決していくのかとか、それは合図の問題なのかとか感じ方の問題なのかとか、だんだん良くなっていく過程を実際に見聞きすることがどんなに勉強になるか!です。音楽を、〈よき聴衆〉になるために勉強しているのでないなら、です。〈演者の側〉になるつもりで勉強しているなら、リハーサルの現場に立ち会うことの価値が、絶対にものすごく高い。自分ならどうするか、自分ならどの方法を提案するか、自分ならどの言葉を選択するか…それをシミュレートしながら、人のリハーサルを聴く。人のやり方を盗む。公開レッスンと言いながら、実際は、つべこべ言葉で説明するよりやってみよう!と、音を出してる時間のほうが長くなると思いますから、ほとんどリハーサルの状態になると思います。そこで、プロがどんなふうに時間を感じているかとか、流れを作っているかとか、息遣いはどうなのかとか、アンサンブルってそういうことなのかとか!。若い人と、どんなふうに違うかも含めて、興味深く勉強してもらえたらとても嬉しいと思っています。
そんなことで、3/11はアートスペースHaseさんへ是非。夜のコンサートは、ブラームスのTrioと、たぶんソナタとソナタ、そして3人でもう少しといった流れになると思います。先着30名様。聴講は、まだ具体的に相談できていませんが、1枠30名様よりは少ない数しかお受け出来ないのではと思っています。どうぞお早めに、お問い合わせください。
(神戸新聞、次の掲載は2/10夕刊の予定です。こちらもよかったらご笑覧ください。コロナ下の音楽学生について少し書きました。)
ヤギ。急に近づいてきてびっくりして写真がすごく下手。なんてこった
ヤギかヒツジを飼いたいんです。いつか。一緒に鳴いて遊びたい。アヒルでもいいです。
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