黄砂に吹かれて

春です。頭の中で工藤静香が歌っています(『黄砂に吹かれて』で検索どうぞ)。
マスクに薄目で、皆さまご無事でいらしてください。


今週に入って、アルカイックホールでの木管五重奏(3/21)のリハーサルを連日しながら来月のアスニーコンサート(4/24)用のプログラムノート原稿締切に追われ、そして昨日の神戸新聞夕刊に自分の原稿が載っているのを見て、苦しかった締切前後のことをむざむざと思い出してうぐぐとなっていました。文章を書くのは嫌いじゃないけど、続くとツライ…やっぱり、譜面に向かってあくせくしているほうが、いくらかマシだなぁと気づきます。息が苦しいか、息が止まりそうかの、どっちかだけど。ははは…

昨日のコラムには、先日のオペラのことを書きました。
もし、その日、自分のコラムと同じ紙面に並ぶ1面トップの記事が、大災害や大事件や大事故と重なって深刻なことになっていたら、音楽のことなんて書いて気楽なことで…となったらどうしようと、書き始めるときに心配するのはそんなことだったりもするわけですが(もっと気にするのは、読者の大半がクラシック音楽に無関係な暮らしにあることですが)、全7回の機会のどこかで必ず一度は勇気を出してコロナ禍で音楽屋をしている自分の思いを遠慮せず書いてみたいと思ってはいて、今シーズンもう1人の音楽系執筆陣である樫本大進さん(ベルリンフィル)が何を書かれるかも毎度窺いながら、今回は「劇場の醍醐味」と題して(タイトルが大雑把ですみません)、あんまり[世の中にはいろんな立場の人がいるから]ということを思いすぎずに書いてみました。せめて、音楽に限定せず、舞台に立つ多くの業態の人たちの思いを出来るだけ代弁できたら、とは思いました。
はー、でも、ほんとに、世の中にはいろんな立場、いろんな今日を過ごす人がいますからね、そんなこと、考えだしたら何も書けなくなるんです。ほんとに。でも。


明後日には、5/29レーガー全曲演奏会について雑誌「音楽の友」さんの取材(私はオンライン参加になる予定)をしていただきます。懸案だったアスニーの原稿が上がったので、頭をフランスからドイツに切り替えて、スキマ時間に勉強と準備をしようと思います。次は待ったなしでレーガーのプログラムノート書きが待っています…
今しばらくバタバタしますが、ひとつずつ落ち着いて、安全運転します(車も)。

いつかの菜の花畑。


京都芸大の入試、一次試験の発表が昨日のリハーサル中にあったようで、関わった受験生から喜びや無念の報告があったり、なかったりしました。みんなにおめでとうと言えるわけでない、とても難しい気持ちになる毎年です。
入学試験は、コンクールなどもそうですが、相手のあることなので、結果は思うようにいかないこともあるでしょう。悔いなく日頃の努力を出し切る演奏を出来たなら、導かれた方向にご縁があると信じたいです。
(気の利いた事が何にも書けなくてごめんなさい。人生を賭けるように感じて戦い、敗れた人の心を救うようなことは、そりゃ、どうやっても書けません。他人が言葉で救えるようなもんじゃないと思っています。だから、ご縁のあった生徒さんには私なりに全力で教えさせてもらい、審査は神に誓ってフェアにさせていただいています。悔いなくこの季節を終えるためには、それしかないからです。)

皆さんにそれぞれ明るい春がやってくるように、心から願っています。
Naoko Kotaniguchi Official Blog

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