定期週間
旅仕事がどんなに楽しくても、その旅先で、次にホームに戻る日を楽しみに思えたり、今度戻ったらこんなことにトライしてみよう、あの人にこんな話をしよう、と思えることを、とても嬉しく、また、よかった、と改めて胸を撫で下ろしていました。
今週は、広上さんで定期!
(また写真が中途半端)
後半組の我々は、「ペール・ギュント」組曲第1番・第2番(グリーグ)だけの出番で、定期でわざわざペールギュントというのがなかなかフワフワするのですが、お話の内容はともかくとしてグリーグの音楽はシンプルながらとても美しくて、そしてやっぱり難しいところは何度やっても難しいわけで!、むむむー!難しいです。
グリーグといえば、ネーメ・ヤルヴィさんに教わった「抒情組曲」の、あの時の、生き生きと本当に心の底から音楽を楽しんだ数日のことを思い出さずにいられません。「4つのノルウェー舞曲」も素晴らしかったなぁ。私はまだまだ入団したてで、出来ないことばかりだったけど。
思い出すといえば、先週九響さんで演奏させていただいた「アルルの女」は、最晩年の岩城さんの、ほとばしる情熱を真っ先に思い出します。当たり前だと思って演奏するな、全力でやれ、全力のそのまた端の端で、ギリギリのところでやれ、君たちは一体どういうつもりだ、音楽なんてそこにしかないだろう!!…どんなに頑張ってもまだまだ許してもらえなくて、岩城さんご自身は病をおして本当に体力の限界を超えてそこに立っておられて、その凄まじさを、私たちは見せていただき、授けていただきました。亡くなったと聞いたのは確かその数ヶ月後であったように思いますが、全力で生きた人は、ひとの心の中にこんなにも鮮やかに生き続けるんだなぁと、その時も思ったし、今も思います。中途半端なことをしていたら、今でも、岩城さんにこっぴどく叱られる気がします。
ペール・ギュント組曲は、フルートのソロが美しくさわやかな「朝」から始まり、「山の魔王」も怖いですが、でも、嘆いたり悲しんだりが割と多くて、リハーサルをしながらでも、何ともいえないようなきもちになります。言葉ではとても表しきれないような沈痛な気持ちや、力なく虚ろな目の色を音や旋律で表すとき、そこから微かに光さすとき、これこそが音楽や表現の価値だと感じます。
私たちは、第2組曲の途中、「アラビアの何とか」で、お茶係になります
広上さんとのリハーサルは、いつだって楽しいです。
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