地底ウィーク前夜

陽射しがずいぶん和らいで、春近しな気配がとてもしてきました。
2月は「逃げる」、まさにその通りに、あっという間に2月が終わりかけています。

両日のキャスト陣の方々を練習場にお招きしての歌合わせリハーサルが終わりました。
ただの男前ではなかった、ただならぬ男前だった初日ヴォータン(ロッド・ギルフリー)さんの凄いこと。その向こうで、体調不良で降板されたアルベリヒ役・桝貴志さんの代わりにドイツから急遽来日されたカルステン・メーヴェスさんがまたとんでもなく見事で(かつ面白)、そんなに大きな声でなく歌われてる時も驚くほど響きわたるのです、自分の楽譜から落っこちずにいるのが大変なほど聴き惚れました。小山由美さんの堂々のフリッカに、いつもいつも美しく清らかな砂川さんのフライア、西村さんの和製男前ローゲ、そして初日ラインの三人娘のうちの1人、小野和歌子ちゃんは大学同期。産後初本格復帰オペラを一緒に乗れて感無量です。わかぽん、帰ってきた!うれしい!子育てしながら大舞台に戻ってくる様々な苦労は想像しきれません、そんなことを微塵も感じさせずにまた歌い輝く姿が嬉しくて、うるうるきました。嬉しすぎて、旦那さんの園ちゃん(指揮者の園田隆一郎さん)にメールしちゃった。そしたら、あちら夫婦でも私の話をしてくれていたらしく、友情ってうれしいな、と思った翌朝でした。
2日目は、練習場に着くなり福井敬先生とお会いして今年の念願が成就したような満ち足りた気持ちになり笑、リハーサルが始まればもうもう何とも見事で豪胆なヴォータンが聞こえる…と見やると、超超癒し系ビジュアルな♡青山さんのギャップに萌え萌えしつつ、いつかのカッシオ(カッシオ役って何だっけ、オテロだったかなぁ)…私のカッシオ清水徹太郎くんはローゲ役でますます美声、NHKニューイヤーオペラで圧巻デビューを飾られますます貫禄増し増しな池田姐さん(エルダ)、熱烈ミーメ高橋淳さん!、そしてこの組は福井さんと黒田さんのお二人が脇を固めてらっしゃるのがとても贅沢で見事で、いやはや、ほんとに贅沢。すごい。
…お名前挙げたり挙げなかったりは失礼と思いつつ、挙げきれず。みなさん本当に素晴らしく、オケの士気は一気に上がり、気も紛れ笑、とはいえ相変わらずマエストロの厳しい音程指摘に両岸ともに喘ぎつつ、沢山の自由研究課題をもらって2日間のオフに入りました。

今回使用のパート譜がイタリア語表記なので、もひとつドイツものをやってる実感が薄く(こんなにどっぷりドイツものなのに!)、なーんか変なかんじです。スコアを覗けばもちろんドイツ語の山。例えばパート譜に同じようにdolceと書いてあっても(スコアを確認すると)ある箇所ではweich、またある箇所ではzartと書き分けてあったり、tranquilloよりはruhigのほうがずっと静謐な感じがしたり、ただAllegroとあるところを見たらHastigだったり、accel.よりはbeschleunigendと書かれるほうがもっと忙しい感じがしたり(それはもう単に口が忙しいだけかもしれないけど笑)、…単なる音楽用語としてしか接したことのないイタリア語に対する自分のイメージは貧困すぎるので、スコアのドイツ語を眺めて、なぁんとなく、気分出して行こうと思っています。

いよいよ明日からはびわ湖ホール入り。
始まる頃は長い長いと思う二週間も、ピットに入ってしまったらあっという間に終わりを迎えてしまうのが毎年のこと。ここまできたら、もう終わったも同じ(焦)。…ということで、この休みは家に篭ってワーっと来月のマーラーやシューマンを譜読みして、リードのご機嫌をいろいろ伺って、床に転がしたままだったゴボウを食べられる状態にして、それからちょっと春休み↓。

動物をテーマに作品を作る造形作家YOSHiNOBUさんの、羊毛フェルトでアフリカゾウを作るワークショップに行ってきました。わはは!
…ただ。
唯一の春休みらしいイベントとして、オペラの合間のいい気分転換、くらいのつもりで行った私が間違っていました。かなりガチな会で、初心者に笑う隙間も与えない超スパルタ指導に震えました…まるっと時計半周超、昼ごはんは飲み込む勢いで(作業に戻らないと間に合わない)、その他休憩なし、携帯が鞄の中で長く短く震えようと一切出られる雰囲気でなく、はぁ(O_o)、明日からの仕事のほうがきっと楽だ笑笑笑。でも、初心者にも趣味の人間にも手加減無しのガチンコで象の骨格から理論的に教え、徹底的に目の前の見本と写真・図解の通りに作りあげることを叩き込む姿勢は、なんか、やっぱりこれは本気の愛情だよね、ヘラヘラ気楽に教えるほうがホントは100倍楽だよね、何の世界でも同じだなぁ、と、なんか、休みの日にただ気楽にゾウさん作りにきた暇な中年女子くらいのつもりで来たのに、しーん、と、いろいろ我が身を振り返ったり学びがあるなぁと思ったりしながら、(あーでも先生、生徒が何考えてるか言おうとしたのを遮って思い込みで話したり、まず否定したりしたらやっぱり生徒は悲しいんだゎ)と凹むような反省するようなしながら、でもやっぱり先生は知識と経験に基づいてアドバイスされてるのだから黙って聞くのが賢明だと思ったりしながら、たまに褒められる喜びを久しぶり実感したりしながら、猛烈に時間に追われながら、指をブスブス針で突き刺し悲鳴をあげながら、追い込まれすぎて昼ごはんは全く味もせず、いつもよりずっと肩のこる作業をぶっ通しで、何やってるんやろう私と半分思いながら笑、でも楽しかったです(泣)。
↑参加者全員の作品を集めて記念写真。

上手下手以前に、みんなそれぞれ一頭ずつ顔も雰囲気も全然違って、やっぱり作り手の人柄そのままが出るのと、その人のその時の気分とかが、真っ正直に作品に表れるそうです。それも、音楽と同じだなぁ、と、はぁ、なんて意義深い春休みを過ごしてしまったのであろう!(ふらっと温泉にでも行けばよかった…薄目)
私の作品は、一番左の子。耳つくまでバクでした笑。いつかタイで出会ったシンリーという可愛い目をしたあの子のことをずっと思って作りました。可愛いお口が、ご褒美にあげてと言われたパイナップル一個まるまま(トゲトゲ葉っぱ付き)飲み込んだ、あの時の驚きを今も忘れません。

(シンリーは恐らくインドゾウなので、インドゾウとアフリカゾウの違いを熱弁していた先生には口が裂けても言えない)
ひひひひ
お尻もかわいい

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