9月の出演予定

今夏は、百日紅の花を見上げることがあんまりなかった気がするなぁ、と思いながらボンヤリ自転車を漕いでいたら、今ごろ、橋のたもとに、毎夏見馴染んだピンクの花が生き生きと満開になっていました。
今年は季節が本当に変で、びっくりしているのは皆同じですね。


今月の出演予定(あるいは記録)です。

【音楽と詩(ことば) 「真夏の夜の夢」】
9月5日(日)14:30開演(ロームシアター京都)
指揮:広上淳一
語り・独唱:石丸幹二
独唱:高野百合絵、鈴木玲奈
合唱:京響コーラス
曲目:初恋(越谷達之助)、落葉松(小林秀雄)、間奏曲「秋のたぬき」(足本憲治)、劇付随音楽「真夏の夜の夢」(メンデルスゾーン)
➡︎オーケストラ作品を古いものから新しいものまで広く演奏してきて、実感として一番難しいのはメンデルスゾーンかもね、みたいな話を、誰かがしていた気がしますが、私も全くその通りだと思います。緻密さと、美しさが、極限で、演奏家の腕と音楽性と運動神経を最も試される、全部見透かされる、そんな感じがします。
「真夏」のScherzoを吹けないとオーケストラに入れないのは令和の時代になっても揺るぎない真実で、プロのオケマンを目指す全員が苦心するこの曲をメンデルスゾーンが書いたのが17歳の頃と聞いて、ますます憎たらし…いえ、そんなことは。その筆の天才ぶりには驚嘆するよりありません。そして難しいのはScherzoだけでなく、全般すごく難しい!すっかり苦しみました笑。だけど、難しいだけじゃなくて美しいからしょうがない。また、ブラームスばかりをさらっていた今夏に、タンギング練習を怠らずに済んだのも事実で、感謝です。
前半は、日本の秋の素晴らしい歌がたくさんで、心がとっぷりと秋に暮れて、幸せな気持ちで終わりました。私の大学在学中に劇団四季のトップ歌手として6ホールに歌いに来てくたさった石丸先輩が、20年経っても全くお変わりがなくて、プロって本当に凄いな(何食べてるんだ~)、と、改めてため息が出ました。間奏曲「秋のたぬき」がまた秀逸で、作曲者の足本憲治さんは他の曲の編曲もしてくださったのですが、すべて素晴らしく美しく、楽しく、これも感激。ありがとうございました。

【MUSECEDE】
9月14日(火)19時開演(MUSICASA)
出演:小谷口直子Kl.、山岡真弓Vc.、新井啓泰Pf.
曲目:8つの小品より2.6.7番(ブルッフ)、クラリネットソナタ第2番(ブラームス)、コル・ニドライ(ブルッフ)、クラリネット三重奏曲(ブラームス)
➡︎長くなったのでこれ以降についてはまた書きます。

【びわ湖ホール 沼尻竜典×京響 マーラー・シリーズ】
9月18日(土)14時開演(びわ湖ホール)
指揮:沼尻竜典
曲目:交響曲第10番「アダージョ」、交響曲第1番「巨人」(ともにマーラー)

9月25日(土)、26日(日)両日ともに14:30開演(京都コンサートホール)
指揮:クリスティアン・アルミンク
曲目:ジークフリート牧歌(ワーグナー)、楽劇「ニーベルングの指環」オーケストラ・アドベンチャー(ワーグナー/デ・フリーヘル編)



The Ring。楽劇『ニーベルングの指環』。「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」、全4夜を4年間に渡って取り組んできた京響ですが、デ・フリーヘル編の[オーケストラル・アドベンチャー]は、その、全部で何十時間かかるんだったか忘れた『指環』の全編をギュギュッと約1時間に凝縮した作品。あんなに苦労した4年間の勉強をどれだけ覚えているか不安で、それと一緒に4年間の色々をまざまざと思い出してしまいそうで心配で笑、なかなかこの黄色い表紙を開く勇気を持てずにいましたが、1日オフだった日に朝から意を決して勉強し始めたら、12ページ目には「ジークフリート」が来て(えっ、もう?)と驚いて、お昼過ぎには読み終わって、また驚きました…全部覚えていました…そして短い…終止線を明るいうちに迎えられるなんて、嘘みたい。読んでも読んでも、めくってもめくっても終わらない、さらってもさらってもいつまでも初見みたいな、いつも気がついたら夜になっていた、果てしない地獄のように思っていたワーグナーが、「知ってる曲」に変わっていたことに、びっくりしすぎて変なテンションになりながら、焼きそばを作りました。
Naoko Kotaniguchi Official Blog

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