ブ祭とカッコウ

秋の花の中で、萩の花がとっても好きです。
(学校に向かう道の、何でもないところで)
小さい花が細い枝に、そよそよとそよぐのが優しくて好きです。
萩の月も好きです。


9/14、初めてムジカーザにお邪魔して、同級生たちの室内楽の会に混ぜてもらってきました。

ゲネプロの合間の休憩時間、譜めくりのお嬢さんがプログラムをしげしげと眺めて曰く、

「…、ブ祭、ですね…!!」

ブ祭。ぶ…。
プログラムが、ブルッフと、ブルッフと、ブラームスと、ブラームスだったから。
もちろん、その場で即採用とさせていただきました笑。

舞台の上にも、客席にも、若い頃をともに学んだ仲間がいてくれて、自分の原点と、そこから歩いてきたこれまでの道を感じる嬉しいひとときでした。忙しい中、一緒に時間を過ごしてもらえることの有難さ、特別さを殊更に強く思うのは、こんなコロナの中であることも、また、人生がいよいよ後半のよいところにさしかかっていることもあるかな、ありがとう。ありがとうございます。コロナの孤独を支えてくれたのは、遠く離れた同級生だったりしました。この日は、大学院の時に室内楽を組んで、まさにブラームスを一緒に一生懸命勉強させてもらったおむろんとなかけいも聴きに来てくれて、感激。若き日、至らないことも失礼もいっぱいあったと思うけど、あの頃何度も何度も音を重ねさせてもらったおかげで、今があると感謝しています。コロナの中でよく話すようになったやっこまん・みやもっちん夫妻。彼らの平らかなまなざしに、私は何度も助けられました。
今は東京で大学院生をしながら武者修行中の元生徒も、5月のリサイタル以降時々一緒に勉強させてもらっている東京の学生さんも応援に来てくれました。嬉しい夜でした。ありがとうございました!
(実は京都出身のお嬢さん、まるちやん。と、今や栃木の大先生、のりさん。みんな健康に長生きしようね…)


オリンピックや甲子園やパラリンピックを応援しながらひたすらブとブをさらい続けた夏でした。いつでも暗譜で吹けるようなのに、いつ吹いてもやっぱりすごく怖いブラームスと、何回吹いても何となく不慣れなブルッフ(困)。終わった!!!
(井上道義さんご夫妻がオーナーの、代々木上原MUSICASA。もしかして道義さんにお会いできるかしら、という謎の淡い期待は、もちろん叶わず。道義さん、来年1月定期ですね!すごく楽しみ!!)


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翌朝10時半には鞍馬口の合奏場で無事カッコウを鳴き、そこから三日間、びわ湖マーラー『巨人』のリハーサルがありました。
今回のマーラー・シリーズは、1番『巨人』と、未完の10番『アダージョ』。10番は、ウィーン留学中に勉強したコピー譜が出てきて、あっちのコピー用紙がゴワッと厚かったんですね、懐かしくて、今回はそれを使いました。1番『巨人』は、やっぱり何度やっても毎回精神的に追い込まれ…今回もすっかり食欲不振。でも、カッコウを全部無事に鳴ききったら途端に生き返りました笑。びわ湖ホールは良い響きがするのでやっぱり嬉しくて、楽しい本番でした◎。

今月はあともう一本!
ワーグナーがんばります!

Naoko Kotaniguchi Official Blog

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