初夏。若葉の季節!
「こたちゃんさー!」
「オケが上手くなる時ってのは、絶対こんな風にはなんねぇんだよなー」
「こうじゃなくて、こうなんだよなー」
広上さんが、そんなふうに教えてくださったことがありました。
若い学生さんたちも同じで、生徒が、あの子やこの子が、突然、ちょっと上手くなってきました。
本当に、オーケストラと同じ。オーケストラが、人と同じ、と言えるかもしれません。
一生懸命がんばっても、全然何も変わらない気がする時期がずっと続く。頑張っても頑張っても、手応えもなく、外からの評価も同じで、このまま何も変わらないんじゃないかなって心が折れそうになるけど、そんなことない。いろんなことを試して、失敗して、経験して、受け止めて、考えて、じーっとその場足踏みしてるようで、内側で、ずーっと色んな変化が起こってる。それで、ある日突然 ぽん っと1つ、上手くなる。周りからみたら、急に上手くなったように見えたとしても、そんなことない。ずーっと我慢の時間があって、それは結構ながく続くこともあって、だけど、ずっと頑張って正しい努力を続けていたら、必ずその日がくる。
すぐ解りやすい成果を見せてやれない中で、正しい(と私が信じる)方向を指し示して伴走し続けるのはこちらも結構大変で、本人同様…またはそれ以上かもしれないと思うくらいに落ち込んだり、自信をなくしたり、ヤケになりそうになったり、疲れ果てたり、いろいろで、あぁ特に結果も出さず下手にしない代わりに上手くしてやることも特になくただニコニコ笑って仲良し先生をしていられたらどんなに楽だろうと思うこともあります。だけど、私は、自分が思った音を思ったように出せなかった時の苦しさも知ってる。それが、だんだん、思ったように吹けるようになってきたときの嬉しさも知ってる。正しい奏法で、無理なく吹けるようになってきてからが、やっと本当に楽しい。だから、生徒をお引き受けしたからには、何とかそこまで連れていってやりたいと思う。そこから先は、本人次第。だけど、そこまでは、大人の責任。我慢して食らいついて来てくれる子は、本当にひと握りだけど。
ぽん
と、ほんのちょっとですよ、だけど、見違えるほど、すごく。上手くなれた日の若い人の顔は、本当に素晴らしい輝き。
だって、そうだよね、嬉しいよね!わかるよ!頑張ってきてよかったね!
努力は報われるんだという実感と、難しさからひとつ自由になれた身軽さ嬉しさが、また彼女(彼)を上手くする。そのあとは、またしばらく我慢の水平線が続くけど。がんばがんば。
でも、恋もせよ、乙女たちよ〜!笑。
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自分のことはといえば、もうもう、毎日、息をころしてリードのご機嫌うかがい。なんと地味な日々です。
いつ開けてどれくらい吹いてどれくらい放置したリードが、いつどんなふうに育つか果てるか天気がこの後どうなっていくかなどなど全く未知数なので、いろんなタイミングでいろんなふうに吹いたり休めたりしたリードを、毎日じーっと眺めてはソーっと吹いて、一喜一憂しては27日の朝に最良のリードが出来れば3枚くらいあることだけを心から祈っています。だいじな本番の前は信心深くなるのです。
おぉ神よ。
(そしてビクビクしすぎて成長・追熟が後手後手に回り、肝心の本番が終わった後に無駄にいいリード祭になるのも毎回のあるあるです…)
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ブルックナーのリハーサル、始まります!!!!
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