やさしい本

心にやさしい本が読みたいなと思って、図書館に立ち寄ったしばらく前。

『トットちゃんとカマタ先生の ずっとやくそく』

徹子さんと鎌田先生の本で、いかにも優しくて楽しそうで。装幀は和田誠さん、いわさきちひろさんの挿絵。好きな人ばかり。
やさしいお話をと思ったのに、いきなりイラクやアフガニスタンやチェルノブイリの子供たちの話から始まって、胸が締め付けられたけど、優しさがあふれる本だった。
黒柳徹子さんといえば、今の若い人たちにはおしゃべりでちょっとゆっくりな、パンダ好きのおばあさん、くらいのイメージしかないかもしれないけど、私たち世代は少なくとも、徹子さんが猛烈な速口で華奢でオシャレなマダムだった頃を知っている。それでも、読み進めながら、改めて、徹子さんの凄さに感服する。イギリスのなんとかという作家の名前が話題に挙がると、すぐさま2つ3つ作品名が出てくる。徹子さんがユニセフ親善大使としてさまざまな紛争地域に出向いていかれていた姿を見て育ったことを鮮やかに思い出す。やさしい眼差し、鋭い感性。
その徹子さんが、若き頃、NHKの専属女優になろうと決めた理由が「子供に上手に絵本を読んであげられるお母さんになる練習が出来るんじゃないかと思って」だったことを初めて知って、また、涙が出る。この人も、本当に、ただお母さんになりたかった人だったんだ。

『徹子の部屋』を、何となく毎日予約録画で見ている。誰か亡くなって、追悼特集に切り替わるたびに、ここ数年は本当に、徹子さん大丈夫かなぁと思う。生きていくことは、喪失の悲しみを重ねること。長く生きている人を、それだけで凄いと思う。いつも変わらず何食わぬ顔をしてこちらに元気を分け与えつづける人を、本当に心から尊敬する。

いい本でした◎よかったら。



朝ドラ、1994年の夏が先週で、あぁ、もうすぐ震災だな、神戸にるいちゃんやジョーさん達の大切な人がいなければいいな、と、だんだん、どんどん、祈るような気持ちでいたのに、週が明けたらとっくに数年経っていた。そんなもんか、と、半日ぐらいふぬけになってしまった。確かに京都はあの日それほどでもなかったと聞いたけど。ノストラダムスて。確かにノストラダムス、ちょっと信じてたけど。まぁ、このタイミングで神戸の激震地に話を振ってしまったら、終わらないか、そうね、そうだけどね、と思いながら、昼ごはんを食べました。
Naoko Kotaniguchi Official Blog

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