幸せな日曜日

3/27(日)のオーケストラディスカバリーは、お天気にも恵まれて、たくさんのおきゃくさまにお越しいただき、とても楽しく嬉しいコンサートになりました。

プログラムが計画された頃には恐らく全く予想だにしなかった世の中になってしまい、どうするのかな、どれくらいお話の中で触れるのかなと思っていましたが、シンドラーのリストさえ単に以前の映画の音楽とだけ紹介され、フィンランディアで、少しロシアという言葉が出てきたようなそうでもないような…でも、それで良かったと思いました。こどもたちには、戦争も、過去に起こった痛ましい大虐殺も、いま世界で起こっていることも、全然責任がない。すべて愚かな大人たちによって引き起こされることで、まだ小さな子どもたちは、知らないで済むなら、まだ、知らないでもいい。そこから学んだり、考えたりするのは、もう少し大きくなってからでいい。本当にそう思いました。
子どもたちが、お父さんお母さんやおうちの人に連れてきてもらって、コンサートホールで音楽を聴ける日曜日。お出かけ用の服。レースの靴下。きれいなおかあさん。幸せと、平和の象徴のような景色。それが、どれほど特別なものか、ますます強く心に沁みた、3月さいごの日曜日でした。

私たちとしては、キレッキレのマエストロ、原田慶太楼さんのおかげで、とても楽しい数日でした。が、「時の踊り」(ポンキエッリ)と、ジョン・ウィリアムズ多めであったために、いつものディスカバリーより3割増しくらいでハードでした笑。ハリーポッターの難しいこと!笑。魔法はこれだから困る…と思うような音の数(弦楽器の人はますます大変そうでした、マエストロによると、アメリカのオーケストラではハリーポッターが入団試験に出るのだそうです…驚)。スターウォーズはハリーポッターよりは慣れているけど、宇宙やら闘いやらで吹きっぱなし!困る困る笑。なんかでもやっぱり、今、戦争やら決闘やらというのは気持ちが穏やかでなくて、練習しててもしんどいなぁと思いました。難しくて、じゃなくて、気持ちがです。現実世界が平和であってこそ、フィクションの世界での戦争や劇的な物語を楽しむ余裕があるんだなというのを、すこし感じました。
それに比べて、久石譲の音楽の何と穏やかなこと。ハーモニーも解決するようでしないような、明るいようで暗いような、はっきりコレとは名言しないような響きの中で、あぁ、やっぱり日本人はこのままでいいかも、八百万の神と素朴に仲良くして、誰とも争わない感じで、いや、なんか知らんけど、はぁ〜…(←まとまりなし。)…なんかそんなことを、ボンヤリと思っていました。

フィンランディアは、さすがにいろんな思いが迫りました。合唱入りでの実演を私は初めて経験したのですが、澄んだ人の声と、言葉が、今こそ沁みました。
シンドラーのリストは、いつ聴いてもつらいけど、今回は特に、難しい気持ちがありました。今この時も、無駄に殺される命と、無意味な殺戮を強いる・強いられる人の心があることを思わずにいられませんでした。
で、それでもやっぱり、ポンキエッリが激ムズ!予定表に『時の踊り』が載るだけで震える、ソワソワする、わちゃわちゃする、超難曲です笑。ムズかったー!



(おまけ)
映画『シンドラーのリスト』、観たことありますか。おすすめはしないですが、観た人と観ていない人では全然違うのではないかと思う映画のひとつです。私が高校生の時の映画で、そうです、初めての映画デートに選んだ題材としては大間違いでした(苦笑)。第二次世界大戦のナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺の話で、当時大変な話題作で映画館は立ち見で、あんなに人が殺され続けるのを私は初めて観て、確か3時間超…。アンネの日記も読んでいましたが、映像の力はその何倍も激しく鮮烈に若い心に突き刺さって、平たく言うと、ちょっとだめでした。衝撃が凄まじすぎて、しばらくだめになりました。
わたしの乏しい映画体験がますます乏しくなったのは、「シンドラーのリスト」で撃沈したのと、そのあとは、これも同じくらい話題作だった「タイタニック」を、これは確か妹と観に行ったのではなかったかと思いますが(忘れた)、やっぱり混んでて、最前列のど真ん中しか空いてなくて、至近距離で大画面を見続けて、船がドドドと沈没する話で、酔った笑笑笑。それと、これもやっぱり超話題作だった「シックス・センス」で、最初っから不気味すぎて脳が逃避して全部寝てしまった!「千と千尋」も、これは徹夜明けで行ったのが災いして、全部寝た。気がついたらエンドロール笑。この辺りで、もう私には映画館で映画を観る才能がないと悟りました。悲。
Naoko Kotaniguchi Official Blog

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