Boss万歳

「過ぎれば過ぎるもんだなぁ」
と、緊張が解けた後の重い疲労と淋しさを感じながら梅田駅に歩き、紫の電車の黄緑の座席に腰を下ろした途端、ものすごい眠気に襲われたと思ったらしんどすぎて酔いました…

予想を超えて忙しかった5月が、終わらないかと思いましたが、終わりました。
終わってないけど。終わった!

昨日と一昨日の定期演奏会は、素晴らしいマエストロのおかげでとても楽しい舞台でした。ヤンさんとの音楽作りは、何ひとつストレスがなく、疑問も不安もなく、相互に「そうだよね」がいっぱいの、生き生きとしたやりとりとなりました。管楽8重奏のセレナーデも、指揮者なしでもできるけど、指揮者なしでは出来ないような繊細で絶妙な間合いやルバートがヤンさんのタクトから紡ぎ出されて、とっても嬉しくなりました。シューベルトの『グレート』は、これぞ!という爽快な演奏ができたと感じています。とても幸せな時間。

今日の大フィル金井さん卒団記念コンサートは、やっぱりとても楽しかった!金井さんのマルチプレイヤーぶりと底知れぬスタミナ、大阪の皆様の濃いプレイに圧倒されつつ、絶えずほうぼうから聴こえるクラリネットの音の中に京響同僚の端正な音色を自然とキャッチする自分の耳を感じ、そのどれもに嬉しくなりました。学びもたくさん。きつかったけど、参加させてもらってよかった。素晴らしい時間をくださった金井さんと、お世話係の皆様に心から感謝しています。
本番前のほんの数分、偶然金井さんと2人になり、お話しできる機会を得ました。長年つとめられたオーケストラの最後の本番を迎えるってどんな気持ちでしたかとか、終わってみて今どんなことを思いますかとか、いろいろ、お話しできたのですが、
「久しぶりに聴かせてもらってるけど、小谷口は、ほんとにいい年の重ね方をしてるっていうか、音も、スタイルも、すごくいいところにたどり着いたなって、思うよ」
そんなようなお言葉をかけてくださって、何というか、その場では恐縮することしかできませんでしたが、この言葉と、今この言葉を私にかけてくださった金井さんのお気持ちに、私はこれからのしばらくを支えてもらえる気がしています。一言が、誰かを大きく励ます力がある。そんな言葉をいつか誰かにかけられる先輩に、私もなれたらと思います。


帰ってきて、シングルケースとエスクラと、いつのか分からないままお世話になっていたエスクラのリードケースと、今日だけ念の為に持っていっていたロッシーニの譜面を元の場所に片付けて、またダブルケースにメンデルスゾーンとフリューリンクの譜面を戻して、明日からは5/27と6/4の公演の準備に専心したいと思っています。ここ数日でやっぱりちょっと散らかしてしまったリード(この3日で、配信と、CD録りと、ロッシーニがあったので…やっぱり温存しきれなかった弱い私…)のコンディションを伺いながら、自分の休息もとり、心と体を整えて、嬉しくその日を迎えたいと思っています。

【注】メンデルスゾーンですが、『2本のクラリネット(あるいはクラリネットとファゴット)のためのコンチェルトシュトゥック』の1番と2番をやるんだと勘違いしている人の話を聞いて驚いたのですが笑、それではありません。それだったら、私の春はもっと朗らかだったに違いありません…メントリですメントリ…

(おまけ)
5/20の京響定期の無料配信が、アーカイブに入って1週間くらいは聴けるようです。よかったらご覧ください。ニコニコさんです(アプリの取得が必要かもしれないです)。