ロンドン交響曲

京都市交響楽団第669回定期演奏会にお越しくださった皆さま、お忙しい中を本当にありがとうございました。

大友さんと第500回定期演奏会を祝ったのがついこの間のことのように思うのに、あれから+169回、あれから15年!!なんとまぁ…。
先日、新しい常任指揮者就任が発表になりましたが、広上時代を挟んで、さらにその前、大友さんが常任だった期間の、途中から私は入団しました。振り返って思い出すことはたくさんありますが、やっぱり、自分が入団した時の常任指揮者の方というのは、自分にとってはひとつ特別な存在なんだな、と、最近あらためて感じています。何にもわからない25歳の時に入れていただいて、気にかけていただいて、だんだん出来ることが増えてくる過程や、いい時、わるい時も、20年、指揮台からずっと見守っていただいたんだなと、じわじわ、そんなことを思いながらの1週間でした。指揮者室にお邪魔してお話しした時間は、やっぱり、広上さんに次いで大友さんが多かった。いい匂いがするんです、大友さんの指揮者室。笑

シベリウス6番とヴォーン・ウィリアムズ2番、なかなか渋いプログラムでしたが、お楽しみいただけたでしょうか。
私はヴォーン…ウィリアムズ、初体験でした。ロンドン交響曲、最初は

「あ〜ロンドンって雨の日曇りの日が多いっていうもんな、これは霧のロンドンかしら」

と思うような、霧の向こうから時計台が微かに現れるような、何とも雰囲気のある感じで始まりますが、譜読みしてると、突然チャイナタウンに迷いこむ感じがしたり笑、オペラ座の怪人っぽいところがあったり、与作〜♪にしか聞こえないところがあったり、むかし『深夜食堂』ってテレビドラマがあったのわかりますか、小林稔侍じゃなくて小林薫が主人公の、あれです、『深夜食堂』テーマ曲のメロディとしか思えないフレーズが出てきたり、むかし吹奏楽コンクールの課題曲にこんなのあったような?と思うような頑張りどころ(!)があったりで、ぶぶぶ…と笑いをこらえたり皆でニヤニヤしたりしながらリハーサルをしていましたが、大友さんのキリリッとしたタクトのもと、どんどんいい曲に聞こえてきて不思議でした。ヴォーン・ウィリアムズは、各地に伝承される民謡を収集してまわった人だったそうですね、それで、何となく、聴いたことあるような旋律が、巧みに散りばめられていたのでしょう。テンポの変化が割と頻繁で、なんだかんだでクラリネットのソロも多く、難しい曲でしたが、すごく楽しかったです。
今回は、2ndクラリネットに京都芸大卒、桐朋オーケストラアカデミー在学中の東出菜々さんが客演で来てくれていました。ヴォーン・ウィリアムズは2ndクラリネットが1stの下でハモるばかりでなく、割と単独でのソロワークが多かったのですが、どれもこれも、初日から本番まで、まったく立派に良い音で吹いてくれて、私のもとを離れてから多くの皆さんに学び育てていただいたんだなぁと、また、嬉しいばかりの1週間でした。
先月もそうでしたが、同僚が、エキストラの子のことを褒めに来てくれて、ちゃんと聴いてくれていること、それを伝えに来てくれる気持ちに、嬉しいなぁ、いいオケだなぁ、と感じています。

来月からは、玄さんが復帰される予定です。
お楽しみに!


今日からは、九州交響楽団さんにお邪魔しています。
散髪しすぎてこんなに髪型が変わった上にマスクもしているのに、お手洗いでたまたまお会いした団員さん(たぶん弦の方)に、会釈するなり

「京都も暑いでしょう」

と言われて(やばい、バレてる…と冷や汗かきつつ)、エキストラのことまで覚えててくださる団員さんのお気持ちにありがたいなぁと思うと同時に、そうか首席で客演するってそういうことなのかもなと思ったりでした。
管楽器の顔馴染みの皆さま方には、口々に

「昨日Eテレ観ましたょー」
「あー、テレビの人だー!笑」
「ベルアップ、キマッてましたね〜」

とイジッていただき、恐縮至極。私は昨日必死に荷造りをしながら横目でチラリとしか観られなかったので、帰ったらゆっくり観て反省します。。
今回、行ってみたら、私の左隣の席に、センチュリーFg首席の安井くんが客演されてて、びっくりしたような、思いがけず2倍お得で嬉しいような。たのしくがんばります◎


そうそう、指揮はアルミンクさんなんです。
何か去年かいつかに一度京響に来ていただいたっけな〜、と思いながらいましたが、リハーサルが終わって帰りがけに、外でモクモクタイム(たばこ)なマエストロにお会いして、

「Great to see you again!Wagnerのときに!」

と言われて、またびっくりして、そうだったワーグナーだった!と思い出しました…みんな記憶力すごいな…ヨソのオケで会っても何で覚えてるんだ…こんなに髪型も変わったのに…


(暑くて暑くてですね、もう、丸刈りにしたいくらいだ!毛が邪魔!コケシみたいになってもいいから短くしてください!美容院で大騒ぎしてお願いしたのは私なんですけどね…実際にコケシおばさんになってしまうととても恥ずかしくて、気にしています…。わーん、コケシです。。)
Naoko Kotaniguchi Official Blog

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