2年越しの『復活』
真夏はリードがどうやってもバサバサでダメな季節で(個人差あると思います)、数ヶ月先の本番のために両手に抱えるほどリードを仕込んでいても毎日毎日半狂乱になるばかりでしたが、暑さが和らいでしばらく、ようやくリードケースの中も落ち着いてくる兆しが見え始めました。
…が、台風の後、一気に秋めいてきて、またリードの状態が全部ひっくり返りそうで、…不安で気が変になりそうです…次生まれ変わったら、もう絶対にリード楽器はしない。絶対に。
2年越しに、ついに『復活』(マーラーの交響曲第2番)を演奏できる明日を、本当に心から嬉しく思っています。
2020年春。すべての公演を失った私たちは、練習の合間に、練習場の休憩室の長テーブルに集まって防護服を作っていました。そうです、医療機関で足りなくなっていた防護服を、コロナ対応に追われる近所の病院に届ける活動をして、何とか気持ちを保っていた時のことです。
あの時は、いつになったら舞台に立てる日が戻るのか、全く予想も立たなくて、
「うーん、9月の『復活』で復活、ちがう??」
「そうなったら出来過ぎやけどね!」
と笑い合っていたのでした。
…笑っていたのは、もちろん、もっと早くに通常の公演開催が戻ることを信じて疑わず疑わず、
(まさかそんな時期までキャンセルが続くわけがないとは思うけど!)
の、笑いでした。
ところが、夏になって、ようやく、室内楽のような規模の公演が戻り、その後、いま思い返せば悪い冗談のような[ものすごいディスタンス]と[目の前に幾重にも重なるアクリル板]による舞台が常態化したのでした。
パンデミックのさなかにマエストロが来日できるはずもなく、私たちはほとんどのことを諦めるのに慣れ、『復活』のような大規模な演目はもう二度と出来ないような気持ちに沈んだまま、その9月は過ぎていきました。
あの頃のことを思えば、夢のような、本当に生き生きとした数日。アクセルロッドさんによる熱いリハーサルが連日時間いっぱいに繰り広げられ、いよいよ明日・明後日が本番です。たくさんのお客様に聴いていただけたら嬉しいなぁと思っております。
やっぱり、一生懸命リハーサルするって楽しいなぁ、と、当たり前のことですが改めてそんな風に感じる最近です。マエストロも一生懸命私たちに向かってくださって、私たちもと私たちにできることを一生懸命集め合う。充実した、すごく楽しい時間です。
アクセルロッドさんの棒は、ときどき、速すぎて見えなくなる瞬間がある(左手と右手がシュバババ!っとなる)ので要注意ですが笑、みんなで楽しい大冒険!ソリストのお2人も、コーラスの皆さんもとっても素晴らしいです。がんばります◎
クラリネットは5管で、今回は今春で群馬交響楽団を卒団され、東京音大准教授になられた野田祐介さんに客演していただいています。若い頃から温かい目で見守ってくださった、先生のようで兄さんのような存在です。ご滞在の間、休憩時間にいろんなお話を聞かせてくださったり相談に乗っていただいたり、新しい替え指を伝授してもらったり!、私のウェーバーを聴いていただいたりもしました。だんだん、相談できる先輩が貴重な年頃になりました。しみじみ嬉しい今週です。
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